日本のエネルギー政策の基本となってきた「S+3E」枠組みは、気候変動や持続可能性が突きつける社会の根本的な問題状況をめぐる議論に対応できない 1970年代に登場し、近年の日本のエネルギー政策を支えてきた「3E」は[1] 、エネルギー安全保障(Energy Security)、経済効率性(Economic Efficiency)、環境適合性(Environment)の最適化を目標としてきた。2011年の福島第一原発事故後、前提条件としての「安全(Safety)」が強調されるようになり、「S+3E」という表記が定着した。 この枠組みの下、化石エネルギーとバランスをとり、安全性向上にも取り組みながら、日本の原子力開発が進められ、一定の成果を挙げてきた。 他方、福島事故やグローバル課題としての気候変動と持続可能性、そして世界的な脱炭素化競争といった新たな課題に対して、日本型の近代化・経済政策の基盤
