正直に白状すると、筆者はクラウド・コンピューティングなるものを大変冷ややかな目でみていた。なぜならばクラウド(雲)となんとなく新しい名前がついているが、そんなものはJavaなんかが流行りだした10年以上も前に出てきたコンセプトで新しいことは何もないからだ。クラウド・コンピューティングというのは要するに「PCにアプリケーションをインストールして使うと、バグ修正やバージョンアップがあるといちいちすべてのPCでやらないといけないからメンテナンスが大変だし、データをいろんな場所で共有したい時とかもめんどくさいよね。だからどっかのサーバーに全部まとめて、クライアント側のウェブ・ブラウザなんかのインターフェイスでサーバー側のプログラムを動かせば楽ちんじゃない」というだけのことである。 そもそもコンピュータの歴史を見ると、IBMなんかの大きなメイン・フレームがデータの計算処理も保存もやって、その中央コン