サミー(中央)は両親に連れていってもらった劇場で映画に夢中になる。母ミッツィ(右)を演じたウィリアムズはアカデミー賞主演女優賞の候補 UNIVERSAL PICTURESーSLATE <名監督が子供時代を振り返った『フェイブルマンズ』は、いじめや両親の不仲を乗り越えたスピルバーグの成長譚。ある「伝説的映画監督」との出会いが気になる...> スティーブン・スピルバーグ監督の新作映画『フェイブルマンズ』(日本公開は3月3日)は自伝的な物語だ。1950年代、愛はあるが壊れかけた家庭に育った少年が、映画監督への道を歩み出す。 アカデミー賞で作品賞など7部門にノミネートされたこの映画には、映画ファンの郷愁を誘う要素がそろっている。 撮影監督ヤヌス・カミンスキーによる温かみのある映像の中で、スピルバーグの分身であるサミー少年は映画館に足しげく通う。8ミリカメラで西部劇や戦争映画を撮り、家族やボーイスカ