中国の都市部でブームになったシェア自転車が、大量に放置・保管されている様子をとらえた映像作品が注目を集めている。簡単に利用できる便利さから、「中国の新四大発明の一つ」とまでもてはやされたシェア自転車。だが、無残な末路を見て、利益ばかり追う企業や政府のあり方を問い直す声が、中国国内で高まっている。 …
性被害を告発する#MeTooは、社会にどのような影響を与えたのでしょう。自らのレイプ被害を訴え、日本における#MeTooのきっかけをつくったジャーナリスト伊藤詩織さんに聞きました。 伊藤詩織(いとう・しおり)1989年生まれ。主に海外メディア向けに映像ニュースやドキュメンタリーを発信している。著書に「Black Box」(文芸春秋)。4月に国際映像コンテスト「ニューヨークフェスティバル」で、孤独死をテーマにしたドキュメンタリー「Lonely Deaths」で銀賞を受賞した。 ――日本で暮らすことが難しくなり、いまはイギリスに。渡英のきっかけは。 昨年5月に記者会見を開き、元TBS記者から受けたレイプ被害を告発しました。真実を伝える仕事をしたいと思っていたにもかかわらず、自分が遭った出来事をなかったことにしたら、また自分や他の人に起こるかもしれない。そんな状態では生きていけないと思ったんです
男子高校生の口内に指を入れてのど仏を押すなどの暴行を加えたとして、千葉県警千葉北署は13日、千葉市立小学校教諭、中村将(しょう)容疑者(29)を暴行容疑で逮捕し、発表した。「性的欲望を満たすためだった」と容疑を認めているという。 署によると、中村容疑者は8月11日午後5時10分ごろ、千葉市稲毛区の千葉大学構内にある男子トイレで、約8分間にわたって市内に住む高校2年の男子生徒(17)の口の中に指を入れ、のど仏や歯茎を押した疑いがある。帰宅途中の生徒に「歯並びがいい。鏡を見た方がいい」などと声をかけてトイレに連れ込んだという。 男子高校生が近くの交番で被害を届け、防犯カメラなどの映像で中村容疑者が浮上したという。近くで同様の被害届が2件出ているほか、中村容疑者は「数年前から数十件やった」と話しているといい、署は余罪があるとみて調べている。千葉市教育委員会は「事実を確認した上で厳正に対処する」と
高層のオフィスビルが立ち並ぶ東京・大手町に、平安時代の武将・平将門の首をまつったとされる「将門の首塚」がある。8月末、久しぶりに大島信三さん(76)が訪れ、手を合わせた。「あのころ、毎月必ず出勤前に、ここで祈っていたんです」 大島さんは近くに本社がある産経新聞社が発行する保守系の論壇誌「正論」の元編集長だ。新聞の記者などを経て編集長に就任したのは1990(平成2)年。冷戦が終わって米ソ対立という大テーマが後退。苦戦を強いられたオピニオン誌をどう活性化させるか大島さんは真剣に考えていた。毎月1日の発売日の朝に必ず首塚に足を運んだのも部数増を祈るためだ。 まず目をつけたのが、雑誌の最後にあった1ページの読者投稿欄だ。届いた投書を読んでいると「読者の書くものが面白いことに気づいた。その知恵をもっと拝借しようと思った」。 「読者の指定席」と名づけて投稿欄を6ページに増やしたのを皮切りに、93年には
ドイツに対するナチス占領時代の損害賠償請求を検討しているポーランド議会は8月31日、損害額は540億ドル(約6兆円)以上に達するとの試算結果を公表した。ポーランドは2015年に保守政党「法と正義」が政権について以来、ドイツに対する批判的な姿勢を強めている。賠償請求に踏み切れば両国の関係が悪化するおそれがある。 現地報道が伝えたポーランド議会の調査結果によると、ナチスが侵攻した1939~45年、ユダヤ人を含む510万人のポーランド国民が殺され、ワルシャワを中心に都市のインフラ破壊などで同額の損害が発生したという。 ポーランドは53年に賠償請求を放棄し、現ドイツ政府は賠償問題は「決着済み」との立場だ。だが、ポーランド現政権は「賠償放棄は冷戦時代にソ連に強要されたもので国際法的に無効」と主張している。(ベルリン=高野弦)
電車内で下半身を露出したとして公然わいせつ罪に問われた千葉県警の男性巡査(26)に対し、東京高裁(合田悦三裁判長)が「犯罪の証明がない」と判断して一審・千葉地裁の有罪判決を破棄し、逆転無罪判決を出していたことがわかった。判決は今月10日に確定し、巡査は復職したという。 控訴審から巡査の弁護人を務めた佐藤大和弁護士によると、巡査は2016年10月31日昼ごろ、JR千葉駅(千葉市中央区)に停車中の電車内で下半身を露出したとして、17年3月に同罪で在宅起訴された。 巡査は捜査段階で、「家でズボンをはきかえた時か、トイレに行った時にチャックを閉め忘れた可能性がある」と供述していた。弁護側は公判で「下半身は露出してない」と訴えたが、一審・千葉地裁は一人しかいない目撃者の証言の信用性を認め、有罪だと判断し、罰金30万円の判決を言い渡した。 これに対し、今年7月26日の東京高裁判決は巡査のズボンのチャッ
川崎市麻生区で昨年12月、スマートフォンを操作しながら電動自転車を運転し、歩行者にぶつかって死亡させたとして重過失致死罪で在宅起訴された元大学生の女性(20)=同区=に対し、横浜地裁川崎支部は27日、禁錮2年執行猶予4年(求刑禁錮2年)の判決を言い渡した。スマホを使いながら自転車を運転して事故になるケースは急増しており、警察庁も注意を呼びかけている。 江見健一裁判長は判決で「周囲の安全を全く顧みない自己本位な運転態度で、過失は重大」と指摘。そのうえで、事故当時は時速9・3キロと比較的低速だったことや、被告の家族が加入する保険で賠償が見込まれる点などを考慮し、執行猶予つきの判決が相当だと結論づけた。 判決によると、被告は昨年12月7日午後3時ごろ、歩行者専用道路となっている商店街で自転車を脇見運転し、歩行中の女性(当時77)=同区=と衝突、脳挫傷などで死亡させた。被告は事故直前に少なくとも3
ケガをした時に、傷口を食品用ラップフィルムで覆う、という話を耳にしたことはありますか。「ラップ療法」などと呼ばれ、過去には是非を巡って論争が巻き起こりました。命に関わる合併症を引き起こす恐れもあり、特にやけどには「絶対に使わないで」と医師たちが警鐘を鳴らしています。 いわゆるラップ療法とは何か 傷口を食品用のラップフィルムで覆う「ラップ療法」は、2000年ごろから、褥瘡(じょくそう)ケアの現場などで、傷を乾かさず湿潤環境において治す目的で用いられはじめた。その後、やけどや傷にも使えるとしてインターネットで広まった。 ところが、「どんな傷も治せる万能薬」といった誤った考え方が一人歩き。傷の治癒について十分な知識の無い医師や個人が使った結果、やけどの症状が悪化するなどのケースが出て問題になった。 ラップで覆えば、確かに傷は乾燥しない。だが、ラップは水や水蒸気をまったく通さず、吸水力もないため、
知人の男性宅に侵入しバールで窓ガラスを割ったとして、福岡県警は19日、県内に住む女子高校生(17)を住居侵入と器物損壊の疑いで緊急逮捕し、発表した。男性宅を訪れたが呼び鈴を押しても入れてもらえず、ベランダに回ったところ見知らぬ女性が見えたため激高し、ガラスを割って部屋に入ったという。 女子生徒は調べに対し、男性と交際していると説明。「彼氏を絶対に許さない」と話しているという。ただ、2人の関係については、双方の言い分に食い違いがあるという。 粕屋署によると、女子生徒は19日午前6時20分ごろ、福岡県古賀市の集合住宅1階にある会社員の男性(19)宅のベランダ柵を乗り越えて敷地に侵入し、持っていたバールで窓ガラス2枚を割った疑いがある。女子生徒は足に軽いけがを負ったという。
「これ一本でどんな魚も簡単にさばける」との触れ込みの包丁を富山県の造型メーカーがつくり、売れ行きを伸ばしている。漁師を経験して魚離れに危機感を抱いた社長が、家庭でも手軽に魚をさばけるようにとクラウドファンディングで資金を集めて製作した。名づけて「サカナイフ」。 開発したのはルアー販売などを手がける富山県射水市の「TAPP」。4月初めからホームページなどで税込み1万5098円で販売をはじめたところ、これまでに約1100本が売れた。ユーチューブで解説動画も配信している。 丸山達平社長(42)がルアーづくりのために2年間漁師をした際、店で売れ残って捨てられる魚を見て、消費者の魚離れを感じたのがきっかけだ。 「魚をさばけない人が増えてきたことが影響しているのでは」。手軽に魚をさばける包丁づくりを考え、従業員と試作を重ねて2年がかりで完成させた。 1本の包丁に、①「うろこ取…
自民党の石破茂元幹事長(発言録) (安倍晋三首相が自衛隊明記などを盛りこんだ党の憲法改正案を秋の臨時国会か来年の通常国会への提出を目指す考えを示したことについて)(安倍)総裁が9条1項、2項をそのままに自衛隊を明記したいとおっしゃった時、イスから転げ落ちるほど驚いた。1回もそんな議論出たことがない。どういうことか尋ねたら、「新聞を読め」と。党員に向かって真剣に語ってもらいたかった。優先順位は何か。何も変わらない9条に自衛隊を追加することか。9条は国民の理解なくして、改正することがあっちゃいかん。 (秋の臨時国会での提出は)ありっこない。あり得ない。(9条改正を)戦争の惨禍を体験した方がいらっしゃるうちにやりたいという思いはある。戦争を全く知らない人間だけで改正していいと思わない。その説得の努力をしたか。「新聞読め」ってのが努力か。 秋に出すというのは、先にスケジュールありきで、民主主義の現
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遠くない将来、人工知能(AI)に人間の仕事が奪われるのではないか――。近年の科学技術の発達は、私たちに切実な課題を投げかけている。「働かざる者食うべからず」と言われるように、人間社会は労働に高い価値を置いている。仕事をして食べていけるのは、1割くらいの「スーパースター労働者」だけになるという時代を、ヒトはどう生きていけばいいのか。AIと経済学の関係を研究する、駒沢大准教授の井上智洋さんに聞いた。 ――2030年以降、大半の人間の仕事がなくなると予想されていますね。私はその時42歳。稼げないと困ります。 「今のAIは、将棋のAIのように、一つの目的に特化しています。一方、人間は汎用(はんよう)的な知性を持ち、将棋も会話も事務作業もこなせる。30年ごろには、人間と同じふるまいができる『汎用AI』開発のめどがたつと言われています。ロボットに組み込めば色んなことができ、人より安くて効率良く働けるな
研究予算の大幅削減を提案するなど科学界に厳しい米トランプ政権に対し、一線の研究者たちが声を上げ始めた。「科学に基づいた政治」を求め、今秋の中間選挙で議会を目指す科学者は、過去最大規模の150人に達している。 首都ワシントンのパブ。仕事帰りに立ち寄る人たちに軽食を勧めるランディ・ワドキンスさん(53)の姿があった。 ミシシッピ大教授でがん研究の専門家。今年11月にある中間選挙で、野党民主党候補としてミシシッピ州の選挙区から下院議員に立候補する。国政の中心地で資金集めの集会を開いた。 「ワシントンを変えなければならない」。出馬を決めたのは昨年3月。トランプ政権による予算案の概要が発表され、がん研究をはじめとする研究開発費の大幅減が提案された。「科学を無視した政策に不満がたまっていたが、これが最後の決め手だった」。科学に関連する法案が議会にかかるときには、地元選出の共和党現職に何度も申し入れたが
2040年の大学のあり方を議論している中央教育審議会の部会が6月末、中間まとめを公表した。AI(人工知能)が進歩して社会に行き渡り、仕事でも生活でも外国人と密接な関係になっている――。そんな時代に活躍できる人材を送り出すため、有識者らが描いた未来の大学の姿とは。 中教審大学分科会に置かれた「将来構想部会」の中間まとめを総合すると、22年後の大学はこんな姿だ。 受験生が志望大学を選ぶ際、参考にするのは「偏差値」だけではない。学生の「満足度」や卒業後の進路をネット上で検索し、各大学を比べる。留年率や中退率も決断の重要な要素だ。 志望対象も縦割りの「学部」や「学科」ではなくなっている。その頃の大学は「学位プログラム」を導入。学生は取りたい学位を決め、大学が示したプログラム例を参考に文系・理系を問わず、多数の学部に散らばる講義を選んで学ぶようになっているためだ。 キャンパスに集う学生は20歳前後の
同じ料金を払うなら、飲み放題をやめ、もっとごちそうを――。こんな発想で東京大や早稲田大などの学生がサークルをつくり、協力する店を広げている。「飲み放題」に疑問を感じて結成し、「会話を楽しみ、おいしい食事とお酒をじっくり味わう新しい食文化をつくりたい」という。 「ごちそう会」は2012年に発足し、現在、学生十数人が活動する。飲食チェーンなどでは、飲み放題付きコースを設定する店も多い。グループで予約すると、酒を飲めない人も飲み放題を外せない場合がある。代表の野並新(あらた)さん(24)=東大大学院=は「サークルやクラスの飲み会はたいてい飲み放題付きコース。でも、飲めない人もいるし、その分料理が少ないこともある」。 メンバーは飲食店に出向き、飲み放題ではなく「料理をメインにお酒は2杯」という「ごち会コース」をつくってもらえないか交渉する。応じた店は「ごち会」のサイトで紹介。いま、20店ほどに広が
手持ちの絶版本をスキャンしてネットに上げて――。漫画家の赤松健さん(50)が中堅出版の実業之日本社(東京)と1日、こんな呼びかけを始めた。誰でも無料で絶版本を読めるようにして、広告収入を作者と出版社、投稿した人で分け合おうとの試みだ。 対象は、同社が2000年以前に出版したが今は絶版となっていて、電子化されていない8871冊。文芸作品が多く、漫画もある。これらの本をスキャンした上で、赤松さんらが運営しているサイト「マンガ図書館Z」に投稿してもらい、広く一般に公開する。 閲覧数に応じて手元に入る広告収入は、作者8割、同社と投稿者で1割ずつ分配する予定。出版社は費用をかけずにたくさんの本を電子化することができ、作者は、印税が入らなくなっていた本で新たな収入が得られるメリットがある。1日の会見で赤松さんは「作者の許可がなければ公開しないので、(著作権上の問題はなく)完全に合法な仕組み」と説明した
朝日新聞社は28、29両日、東京都内の有権者を対象に電話による世論調査をした。8月2日に就任2年を迎える小池百合子都知事の支持率は49%で、昨年6月下旬の前回調査の59%から下がった。一方、従業員を雇っている飲食店を原則禁煙とするなど国の法律より厳しい都の受動喫煙防止条例成立については「よかった」が77%に上った。 小池知事就任後の調査は、昨年4月、同6月上旬、同6月下旬に続き4回目。支持率は1回目の74%から下落が続いている。一方、「支持しない」は29%で、昨年6月下旬の21%から上がった。 「支持する」と答えた人に理由を尋ねたところ、「これまでの知事よりもよい」が45%で最も多く、前回調査の33%から増加。逆に「改革の姿勢や手法」は26%で、前回調査の44%から減った。男女別の支持率は女性が56%、男性は42%で女性の支持が高い。 小池氏は希望の党を率いて昨年10月の衆院選に挑んだが、
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