特定危険指定暴力団「工藤会」(北九州市)のトップ、野村悟容疑者(67)ら最高幹部を含む計15人が、看護師の女性を殺害しようとしたとして組織犯罪処罰法違反(組織的殺人未遂)容疑で逮捕された。暴力団による襲撃事件は指示系統の立証が難しく、首謀者とみられる最高幹部までが一斉に逮捕されるのは異例だ。捜査関係者によると決め手となったのは通信傍受だったという。 【ターゲットは看護師の女性】民間人襲撃などでトップ再逮捕 「ウルトラCを使って逮捕する」。約1年前、福岡県警幹部は周囲にこう語っていた。それは通信傍受法に基づく通話内容の傍受を指していた。 女性が襲われたのは2013年1月28日の夜。県警によると、福岡市博多区石城町の路上で、黒いニット帽の男に突然顔や尻を刃物で切られた。県警は当初、通り魔事件の可能性が高いとみており、暴力団の関与は視野に入れていなかった。 しかし、捜査関係者によると、女性