研究に協力したのは、半数がうつ病と診断された同大学学部生の女性76人。幸せな音楽と悲しい音楽を両方聴かせ、感じたことを説明してもらった。 幸せな音楽はジャック・オッフェンバックの『天国と地獄』、悲しい音楽はサミュエル・バーバーの『弦楽のためのアダージョ』だ。 検証の結果、うつ症状のある人々は悲しい音楽のほうに好感を示しただけでなく、幸せな気分になり、リラックス効果も得ていたことがわかった。 これは「悲しい音楽を聴くと気分が落ち込む」といった一般的なイメージに反するものだろう。 ただ、落ち込んだ人に運動会でお馴染みの『天国と地獄』を聴かせたらそりゃ悲しいほうを選ぶよね、という気がしないでもないが、この研究は2015年に同様の結果を示した先行研究の再現だそうだ。直感的にも理解しやすく、結果自体は信頼性がありそうだ。 また2016年の研究では、悲しい音楽を好む人の傾向として「共感力が高く、悲しい