とある零細企業の歴史 おれが勤めているのは零細企業だ。具体的に言えば、社員数10人以下の会社だ。 全員が正社員だ。人手は足りていない。派遣労働者やアルバイトを雇う余裕すら無い。もちろん、新卒であれ、中途であれ、新しい社員を入れる余裕もない。 たまに就活生などから問い合わせの電話もあるが、受け入れる余裕はない。この分野の人にはおもしろそうな仕事をしていると見えるようではある。 かつてはもう少し人がいた。バブルのころだ。積極的に人を採用していたらしい。 ところが、バブル崩壊。銀行の貸し剥がしで、会社に金がなくなった。去る人は去ったし、雇いつづけることがむずかしく、解雇された人もいた。今は、最低限回せる人数だ。 というわけで、おれの勤める会社は存続ギリギリでやっている。おれはそんな会社になぜか転がり込んだ。 現状では、代表や社員の高齢化によって、もう数年でなくなってしまうのは確定している。 営業
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