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ブックマーク / booklog.kinokuniya.co.jp (6)

  • 中央大学(メディア論・文化社会学)・辻 泉の書評ブログ : 『社会学ウシジマくん』難波功士(人文書院)

    →紀伊國屋書店で購入 「現代社会の「メディア・エスノグラフィ」として」 書は、マンガ『闇金ウシジマくん』(真鍋昌平)を題材に、「社会学の成果を紹介しつつ、社会学の多面性や魅力」(P115)を伝えようとしたものであり、現代日社会の様々な問題点が浮き彫りにされると共に、それらに対して社会学がどう向き合うことができるのかが示された著作である。 プロローグで示されたリスク社会論(「今のこの時代に、この地球に生きるがゆえに、誰もが避けようのないリスク」―P27)に始まり、都市社会学、家族社会学、教育社会学、メディア論、ジェンダー論、感情社会学、労働社会学、社会病理学、福祉社会学、そしてエピローグの社会階層論にいたるまで、リアルな社会問題を入り口にして、社会学の多様性とその魅力を伝える入門書としての試みは、十分に成功しているものと思われる。 あとは、主たる想定読者である学生たちが、マンガのウシジマ

    中央大学(メディア論・文化社会学)・辻 泉の書評ブログ : 『社会学ウシジマくん』難波功士(人文書院)
    goldhead
    goldhead 2013/03/01
    "「社会学って、こんなことだったんじゃないのかなあ・・・。」"
  • 『人種とスポーツ――黒人は本当に「速く」「強い」のか』川島浩平(中公新書) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「『黒人』の身体能力神話を解体する」 スポーツの国際大会の中継を見ていると、「黒人選手は身体能力が高い」という表現が実況のアナウンサーや解説者の口から頻繁に聞かれる。また、それに対をなして「身体能力で劣る日人」「組織力の日人」という表現も同時に使われる。ここでは、「黒人とは誰なのか」「身体能力とは何か」ということが一切定義されないまま、視聴者との間の共有されるべき前提となっているように思える。 「黒人選手は身体能力が高い」という表現がステレオタイプな表現であり、それ自体つくられたイメージであることは、多くのスポーツ社会学者やジャーナリストが度々指摘してきた。それでも「でも、黒人選手の身体能力は高いでしょ」という反応は絶えることがないし、そういった疑問に正面から答えようとしたものにはなかなか出会ったことがない。 書は、さまざまなスポーツの歴史や資料をもとに、「

    『人種とスポーツ――黒人は本当に「速く」「強い」のか』川島浩平(中公新書) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
  • 『孤独なバッタが群れるとき―サバクトビバッタの相変異と大発生』 前野 ウルド 浩太郎(東海大学出版会) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 バッタ。バッタに興味ありませんか? あまりない。ほとんどない。まったくない。むしろ苦手だ。見るのも嫌だ…。そんなあなたにとって、このは、ぱらりと開いたその日からバッタが、いやバッタ博士が頭から離れなくなってしまう悪魔の書となるでしょう。まずは「はじめに」と題された書き出しを読んでみてください。 あれは、小学生の頃に読んだ子ども向けの科学雑誌の記事だった。外国でバッタが大発生し、それを見学するために観光ツアーが組まれたそうだ。女性がそのツアーに参加したところ、その人は緑色の服を着ていたため、バッタに群がられ、服をべられてしまったそうだ。私はこのとき、緑色というだけでみさかいなく群れで襲ってくるバッタの貪欲さに恐怖を覚えたとともに、ある感情が芽生えた。 「自分もバッタにべられたい」 その日以来、緑色の服を着てバッタの群れの中に飛び込むのが夢となった。 最後の2行、読

    『孤独なバッタが群れるとき―サバクトビバッタの相変異と大発生』 前野 ウルド 浩太郎(東海大学出版会) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
    goldhead
    goldhead 2012/11/28
    "この変態性こそが本書の魅力であり、ほとばしる情熱の源泉でもあるので、読者はあえてこの変態世界に身をゆだねるしかありません"
  • 『稲の大東亜共栄圏-帝国日本の<緑の革命>』藤原辰史(吉川弘文館) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 いままでいちばんおいしかったコメは、フィリピン南部ミンダナオ島ダバオ市街地から少し内陸に入ったカリナンでべた陸稲の赤米ジャバニカだ。日人が普通にべる白米ジャパニカより粒が大きく、香りとともにじっくり味わうことができた。1985年に調査のために下宿していた家の奥さんは、市場でちょっと変わったものがあると、買ってきてべさせてくれた。たくさんの種類の地場もののコメやイモ、野菜があることがわかった。タイのバンコクのスーパーマーケットに行っても、いろいろなコメがあることに驚かされる。ジャスミンライス(香り米)として世界的に有名になった輸出用とは違い、人びとが生活を楽しむためのコメがあるのだ。 書では、ただたんに人びとから豊かな生活を奪っただけではなく、「コメの品種改良の歴史にひそむ、「科学的征服」の野望」が語られている。裏表紙には、つぎのような書の概略がある。「

    『稲の大東亜共栄圏-帝国日本の<緑の革命>』藤原辰史(吉川弘文館) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
    goldhead
    goldhead 2012/09/25
    遺伝子組み換え食物自体は別に危険と思わんが、それに伴う大資本の支配みてえなのは気になる>"育種技術は「人を殺すこととまったく関係がない」」というきれい事は、「事実ではない」"
  • 『世界軍歌全集―歌詞で読むナショナリズムとイデオロギーの時代』辻田 真佐憲(社会評論社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「あの麻木久仁子氏もtwitter上で所望した貴重な網羅的資料集」 はじめに、で書かれているように、書は「軍歌の標」となるべく、「世界各国の軍歌をひとつの素材として取り上げることで、各位の興味や趣向にあわせて随意に翫賞してもらうこと」を目的としたものである。 よって取り上げる素材に比して、おどろくほどその内容はイデオロギッシュなものではない。国粋主義的な視点からそれを称揚するのでもなく、左派的な視点からそれを批判するのでもない。 それゆえにこそ、バランスよく多様な軍歌がちりばめられた書は、まずもってその網羅的な資料集としてのハンディな価値を評価すべきなのだろう。 だが、ある意味で筆者の意図したとおりに、その資料集は私(=評者)の社会学的な問題関心を幾重にも刺激してやまないものであった。 以下、箇条書き的にいくつか感想を記してみたい。 まず書を通して、軍歌という

    『世界軍歌全集―歌詞で読むナショナリズムとイデオロギーの時代』辻田 真佐憲(社会評論社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
    goldhead
    goldhead 2012/06/01
    "そこでの動画視聴から感じられたことは、やはり軍歌はともに歌うものなのだということであった"
  • 『詩集「三人」』金子光晴、森三千代、森乾(講談社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 名もなき家族が残したもの 2007年、東京の古書店で金子光晴の未発表の詩集が見つかった。 光晴と、である作家・森三千代(愛称・チャコ)、そして息子、森乾(けん。愛称・ボコ。のちに仏文学者)の三人の詩が、B6判200ページ余(厚さにしておよそ2cm)のノートに38篇手書きされたもので、手にしたのは『評伝 金子光晴』などの著書もある金子光晴研究家の原満三寿(まさじ)さん。外箱もあって、写真で見るとその背には「詩集 三人 金子光晴」の文字、表には、中国の切り絵のように見える赤く小さなイラストが三つ描かれている。光晴の研究者にして初見だったとのこと、そしてよりによって研究者の手に、空から羽毛が舞い落ちるようにそっとそのままの姿で降りてきたようだ。 ※ 乾さんの・登子(たかこ)さんが筆跡をあたって、外箱、そして黒インキで書かれた文の全てが光晴のものと確認された。32篇が光

    『詩集「三人」』金子光晴、森三千代、森乾(講談社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
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