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  • 高田純次 71歳 真面目に語る「30歳の決断、40歳の決断」 | 文春オンライン

    高田 そうそう。雨の日のロケだと通りすがりの人に声をかけても反応悪いのよ。 ―― 「どうも、東方神起です」と声をかけたり、“高田純次と名乗らない”高田さんの真骨頂は朝のお散歩番組でも発揮されてますもんね。でも、高田さんはもともとアングラ演劇出身の「演劇人」。まずは、その知られざる「真面目な高田純次」時代についてお伺いしたいと思っています。 高田 何でも聞いてください。一応、僕の肩書きは「舞台俳優」ということになってるから(笑)。いやいや、正直なところ僕が演劇についてどうこう言うのは、おこがましいんだけどね。 ―― と仰いますが、高田さんと演劇の出会いはシェイクスピアの『マクベス』。これをアングラ劇団・自由劇場が上演したのを観たのが、演劇の世界に入るきっかけだったとか。 高田 45年前だから25歳くらいか。六木の劇場で、串田和美さんが演出。吉田日出子さんや佐藤B作さんが出てました。 ―― 

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  • 「俺は奴隷じゃない」「洗脳された」日本語“最強”技能実習生の独白日記 | 文春オンライン

    今年(2018年)12月8日に可決された入管法の改正問題もあり、メディアでは外国人技能実習制度への批判の声が上がっている。「技能実習」「国際貢献」といった建前とは裏腹に、実質的には人手不足に悩む日の中小企業に低賃金労働者を送り込む制度と化していることはご存じの通り。問題が極めて多い制度であることは言うまでもない。 私は2017年末ごろから、この技能実習生問題に関連する仕事が増えた。なかでも印象に残った取材相手が、今年の春に『Newsweek 日版』の特集記事で取材した范博文だった(『Newsweek』の記事の表記は「範博文」)。 辞書をまるごと暗記した達人 彼は中国内陸部の江西省南昌市出身の29歳の労働者だ。学歴は高等専科学校卒(事実上の高卒)で、直近の職業はガードマンである。 范とは中国SNS『QQ』の技能実習生コミュで知り合ったが、なぜか異常なほど日語の読み書きができた。通常、

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  • 「自分の意志が曲げられるとは……」忘れられない平成“5つの非公式な”天皇の「お言葉」 | 文春オンライン

    日は、平成最後の天皇誕生日である。例年どおり、今年も今上天皇の「お言葉」が公開され、様々な解説や解釈が行なわれるだろう。 ただ天皇の「お言葉」は、こうした公式のものだけではなく、側近や関係者などから漏れ伝わってくる非公式のものも見逃せない。というのも、そこにこそ、しばしば天皇の心や感情が直に表れているからである。 そこで以下では、平成年間の非公式な「お言葉」を厳選して5つ紹介したい。みなさんは、いくつご記憶にあるだろうか(以下、今上天皇は天皇と略す)。 「先例を云々するのはおかしい」(平成9年) まず天皇といえば、沖縄は外せない。天皇は、皇太子時代より沖縄への思いを強調し、折に触れて現地の叙情詩である琉歌も作ってきた。 1997年2月、屋良朝苗が亡くなった時も、その思いの一端が明らかになった。屋良は、沖縄復帰後にはじめて県知事を務めた政治家だった。天皇はその訃報に接するや、葬儀に花を供

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  • “原爆Tシャツ”で炎上のBTSが「21世紀のビートルズ」と呼ばれる理由 | 文春オンライン

    BTSは「YouTube時代のビートルズ」? その「グローバルなセンセーション」に注目したイギリスのBBCやフランスのフィガロ、アメリカのフォーブスなどは、BTSを指して「21世紀のビートルズ」「YouTube時代のビートルズ」などと称した。単純に商業面での成功を比較し、そう呼んだわけではない。1964年、ビートルズがニューヨークのケネディ空港に降り立った瞬間から巻き起こった音楽的・産業的・社会的な変化とそれを支えた献身的なファンダム。当時を覚えている多くの人は、そのエネルギーをいまのBTSから感じているようにみえる。 ビートルズの時代を簡単に振り返ってみよう。ビートルズがアメリカに進出したとき、その自由な振る舞いと明るい音楽は、1963年のジョン・F・ケネディの暗殺後、求心力を失って沈な雰囲気に満たされたアメリカ社会に衝撃に近いエネルギーを与えていた。とくに「ビートルカット」とも呼ばれ

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  • 東名「あおり運転」死亡事故 なぜ「無罪」の可能性があるのか? | 文春オンライン

    「両親のことを思い出すだけで心が折れそうになります」 昨年6月、東名高速で「あおり運転」をされた車が大型トラックに追突されて夫婦が死亡した事故。発生から1年後、長女はコメントを発表した。 この事故ではパーキングエリアの通路に車を止めていた石橋和歩被告(26)が静岡市清水区の萩山嘉久さん(当時45)から注意されて立腹し、一家のワゴン車を執拗に追跡。追い越し車線に無理やり停車させて追突事故を引き起こし、萩山さんと(同39)が死亡。同乗していた当時高校生と小学生の姉妹も軽傷を負った。 事故直後の萩山さん一家が乗っていた車 ©共同通信社 残された姉妹は勇気を振り絞って警察に事故直前の状況を訴え、経緯が明らかに。石橋は昨年10月、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)などで起訴された。 そして9月7日、横浜地検は予備的訴因として監禁致死傷罪を裁判所に追加請求したことが明らかになった。 司法担当記者

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  • フランス各紙は「ゴーンさん事件」をどう報じたのか? | 文春オンライン

    カルロス・ゴーン氏が逮捕された翌11月20日、パリのキオスクにもゴーンさんの写真が並んだ。 「ルフィガロ」「リベラシオン」「ルモンド」、これがフランスの三大紙。ただし、「ルモンド」は夕刊紙なのでまだここにはない。これらは全国紙だが、フランスでもっとも読まれているのは地方紙で、パリ地方は「パリジャン」。さらにもう一つ、フランスの日経というべき経済紙「レゼコー」も忘れてはならない。

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  • 安田純平氏への「自己責任論」は大本営発表を再来させる | 文春オンライン

    どうしてジャーナリストが機能不全だと「大営発表」を招くのか? 「ジャーナリズムなどなくても、政府の発表があるではないか」というかもしれない。だが、政府はしばしば真実を隠し、嘘を発表する。大営発表の苦い歴史がまさにそうだったはずだ。 太平洋戦争下の大営発表は、実にデタラメなものだった。戦艦撃沈の戦果は4隻から43隻(10.75倍!)に、空母撃沈の戦果は11隻から84隻(約7.7倍!)に水増しされ、反対に、戦艦の喪失は8隻から3隻に、空母の喪失は19隻から4隻に圧縮された。 単なる戦時下の情報規制では説明がつかない。ここまで酷くなった大きな原因のひとつは、当時のジャーナリズムが機能不全に陥ったことだった。 メディアが「大営は勝ったといっているが、現地で取材したところまったく違った」などと報道していれば、軍部もここまで厚顔無恥にはなれなかっただろう。仮に虚偽を発表しようとしても、内部で「

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  • 炎上した「キズナアイ」問題 “表現の自由”を主張する前に考えたいこと | 文春オンライン

    バーチャルYouTuberの「キズナアイ」がNHKのノーベル賞特設サイトに登場したことについて、ネット上で議論が起きた。太田啓子弁護士は「このイラストを使う感覚を疑う。女性の体はしばしばこの社会では性的に強調して描写されアイキャッチの具にされる」と批判。社会学者の千田有紀さんは『ノーベル賞のNHK解説に「キズナアイ」は適役なのか?』というYahoo個人の記事で、相槌を打つ役割を担わされているキズナアイのジェンダーロールの問題を指摘した。 NHKのノーベル賞解説サイト「まるわかりノーベル賞2018」より 私がここで取り上げたいのは、議論の内容そのものではなく、こういう議論がどのような場で行われるのが良いのかという「土台」の問題である。千田さんはヤフー記事への批判の反論として、Twitterでこう投稿している。 “私自身は「表現の自由」は国家から規制されるべきものではない、とは思う。でもそう思

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  • 小島秀夫が観た『search/サーチ』 | 文春オンライン

    弱冠27歳のホットな人物がいる。 それは天才監督アニーシュ・チャガンティだ。いま、ハリウッドの目利きたちが彼をサーチし始めている。ディズニーが、マーベルが、あるいはDCが次の“ユニバース”の担い手としてサーチしているはずだ。 作『search/サーチ』で劇場映画デビューを果たしたこの監督は、それほどの才能の持ち主だ。 映画史上初の、まったく新しい視点 120年前に誕生した時から、映画は視点と時間軸の操作で成り立っている。現在作られているあらゆる映画は、この延長線上にあるといっても過言ではない。トーキーもカラーもVFXCGも、この基構造を変えたわけではない。たとえば異なった時間軸を編集によって操作する語りは、『市民ケーン』によって既に完成の域に達している。複数のカットを組み合わせるモンタージュの手法も、ヒッチコックの『サイコ』のあのシャワールームでの殺害シーンで頂点に達したと言えるだろ

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  • キズナアイ炎上問題 「萌えキャラだらけ国家」台湾のユルさに学びたい | 文春オンライン

    公的な場における「萌え表現」の使用を許容するか否かという問題は、ひとたび火がつくと大いに燃え上がる。今年10月上旬、NHKがノーベル賞解説サイトに人気バーチャルYouTuberのキズナアイを起用した件についてもそうだった。 「キズナアイは性的に強調されて描かれている」 詳細は他の報道に譲るが、まず弁護士の太田啓子氏が自身のツイッターで「NHKノーベル賞解説サイトでこのイラストを使う感覚を疑う」、「女性の体はしばしばこの社会では性的に強調した描写され(ママ)アイキャッチの具にされるがよりによってNHKのサイトでやめて」と主張し、大きな波紋を呼んだ。

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  • あれから10年 田母神俊雄が語る「田母神論文事件とは何だったのか?」 | 文春オンライン

    ◆ 書いたものは今でも正しいと思っています ――田母神さんの論文「日は侵略国家であったのか」は、アパホテルで知られるアパグループが主催する第1回「真の近現代史観」懸賞論文で最優秀賞を受賞しました。現役自衛官、しかも空自のトップである航空幕僚長が〈我が国が侵略国家だったなどというのは正に濡れ衣である〉といった論を公にした衝撃はまさに「事件」と言うべきものでした。あれから10年、現在のお考えは、当時の論文の内容と変わりましたか、それとも変わりませんか。 田母神 全く変わっておりませんね。書いたものは今でも正しいと自分で思っています。 ――現代史家の秦郁彦さんのような、保守派の論客からも批判が集中した論文でした。たとえば、先の大戦において、蒋介石もアメリカもコミンテルン(共産党の国際組織)に動かされていたという箇所は、「陰謀論」であるとも批判されています。 田母神 そう批判する方がいるのは知っ

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  • 終身雇用が崩壊しているのに35年ローンで自宅を買う怖さ | 文春オンライン

    題は住宅ローンの是非であります イケダハヤト師といえば、東京で活躍するブロガーだったのですが、サラリーを貰って働く勤め人よりも自由な働き手としての魅力を伝え、勢い余って新天地に高知県を選び、当に移住してしまい、さらには自力であばら家を立てて奥さんと子育てしながらブロガーライフを送っているという逸材です。 とにかく自分をさらけ出してコンテンツ化しているのもあって、ある種のトゥルーマンショー状態であり、上記のように「住宅ローンの借り入れに地銀を訪れて、2週間待たされる」というだけですでに面白いわけです。ネット内外で非常に毀誉褒貶のある人物ではありますが、こういう振り切った人が存在するだけで「ああ、ネット見てて良かったな」と思えるのです。 で、題は住宅ローンの是非であります。確かに高知県の、それもド田舎に家を建てようとカネを借りに行くイケダハヤト師の面白さに引っ張られがちですが、我が国の住

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  • ノーベル賞受賞 本庶博士と小野薬品工業の“軋轢” | 文春オンライン

    今年のノーベル生理学・医学賞受賞者に選出された庶佑・京都大学特別教授(76)と、製薬会社大手・小野薬品工業が、互いに弁護士を立てて話し合いを行っていたことがわかった。 小野薬品は、庶氏の研究をもとにがん治療薬「オプジーボ」を開発し、2014年より販売している。同社は1日、庶氏の受賞決定を受け「(庶氏と)共同研究を実施することができた巡り合わせに感謝しています」というコメントを発表。しかし同日、庶氏は受賞会見で「この研究に関して、小野薬品は全く貢献していません」と断言していた。 受賞会見の場に似つかわしくない、庶氏の厳しい言葉の裏には何があるのか。 「オプジーボに関する特許は庶先生と小野薬品の共同所有。小野薬品から庶先生に幾ばくかのロイヤリティは支払われているようですが、それとは別に、庶先生は売り上げの一部を大学に寄付するよう要請している。それで基金を設立し、若手の研究者育

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  • 「湿気がひどくてマグロにカビが生える」開場目前の豊洲市場に不安の声が高まる | 文春オンライン

    「築地を離れることの寂しさ、というような情緒的な話ではないんです。いい話がまったく聞こえてこない」(同前) 豊洲市場はこれまで土壌汚染問題が、度々、取り上げられてきたが、その汚染状況も改善されない中、ここへきて、建物そのものに対する問題が持ち上がっている。 そのひとつが、深刻な地盤沈下だ。 9月上旬、仲卸棟西側で、横幅約10メートル、段差約5センチという「ひび割れ」が発見された。地盤沈下によって引き起こされた巨大な「ひび割れ」である。 「豊洲の店舗にダンベ(魚や水産物を入れる業務用冷蔵庫)を入れたら、それだけで床が沈んでしまった、という話もあります」(仲卸業者・男性Bさん) 豊洲は、もともと地盤が非常に緩い。その上に重厚長大な建物を作った。先日は、工事を請け負った業者から、「地中に打ち込む杭が十分に支持層(固い地盤)に届いていない」という内部告発もなされている(『週刊現代』2018年9月1

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  • 中国の奥地に住む「ラブドール仙人」に弟子入りした話 | 文春オンライン

    ルポライターの安田峰俊氏は先日、『週刊文春』8月16/23日号に、中国の成人向けグッズ市場の現況を伝える「日中エロ戦線、異状あり」と題した異色の記事を寄稿した。 自宅のリビングでラブドールたちをお披露目する仙人(右)。左手前が最愛の小雪ちゃんである。なお、中央のジャージのドールのヘッドは日メーカーのLEVEL-D製、他のドールはすべて中国メーカー製だ ©安田峰俊 その取材の陰には、3日間をかけて取材相手に密着して驚くべき体験を積み重ねたものの、誌上の原稿には充分に反映しきれなかったという、いわくつきの物語があったという。 対象となったのは60歳の男性だった。中国深南部の内陸地帯、貴州省黔南プイ族ミャオ族自治州恵水県の人里離れた山中で8体のラブドール(ダッチワイフ)と共同生活を送るという、中国のネット上でも名を知られた奇人である。安田氏はこの「ラブドール仙人」の自宅にホームステイし、魂の交

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  • 高畑勲を失った宮崎駿は、どこへ向かうのか | 文春オンライン

    ◆ 憔悴し、途方に暮れた様子の宮崎駿 あんなに憔悴し、途方に暮れた様子の宮崎駿を見たのは初めてだった。5月15日に「三鷹の森ジブリ美術館」で行われた「高畑勲 お別れの会」でのことだ。 「迷路のように入り組んだ美術館の中に、どうやって人を入れるんだろう」と思っていたが、予想に違わず、招待された弔問客の大半は館外のテントで、モニター越しに会の様子を見守ることになった。 たぶん宮崎駿は、大きな斎場で、見知らぬ人々と一緒に高畑勲を送ることが、どうしても我慢ならなかったのだ。自らの手がけた美術館の中で、少数の親しい人々だけと共に、高畑との「最後の別れの時」を過ごしたかったに違いない。そんな宮崎の思いを、いったい誰が責められるだろうか。 1990年11月、インタビューに答える高畑勲氏と宮崎駿氏 ©共同通信社 宮崎の高畑を送る言葉は、その大半が、高畑の初演出作品「太陽の王子ホルスの大冒険」(1968年)

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  • 「緊張の糸は、高畑さんが亡くなってもほどけない」――鈴木敏夫が語る高畑勲 #3 | 文春オンライン

    今年4月、映画監督の高畑勲さんが亡くなった。プロデューサーとして支えてきたスタジオジブリの鈴木敏夫氏が語る高畑さんの記憶――それは決して美談ではなかった。(#1、#2より続く最終回) ◆ ◆ ◆ この作品はいつ完成し、世の中に出せるのか。僕としてはいっさい考えていませんでした。完成したときに公開すればいい。そう腹を括って、予算を含めた態勢を組んでいたんです。間に合う間に合わないですったもんだすることに、ほとほとうんざりしていたということもあるし、高畑さんに気のすむまでやってもらおうという気分もありました。結果的に8年の歳月をかけて、日映画史上最大の50億円もの予算を費やすことになるわけですが、僕としてはいっさい焦りを見せないようにしていました。 「かぐや姫」と「風立ちぬ」同時公開というアイデア それでも、完成の目処がついたと報告を受けたときは心が揺らぎました。というのも、西村が言ってきた

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  • 「高畑勲監督解任を提言したあのころ」――鈴木敏夫が語る高畑勲 #2 | 文春オンライン

    今年4月、映画監督の高畑勲さんが亡くなった。プロデューサーとして支えてきたスタジオジブリの鈴木敏夫氏が語る高畑さんの記憶――それは決して美談ではなかった。(#1より続く) ◆ ◆ ◆ 当時、高畑さんが作りたがっていたのが『平家物語』でした。企画としてはおもしろいものの、誰が絵を描くのかという問題がありました。宮崎駿が「平家の戦いのシーンを描けるとしたら自分しかいない」と豪語していたほどで、技術的にも非常に難しいことは分かっていました。高畑さんは『山田くん』でも活躍した田辺修に描いてもらおうとするんですが、田辺も頑固な男で、「自分は人が人を殺す話は描きたくない」と言う。 そこで僕が持ち出したのが『竹取物語』でした。言わずとしれた日最古の物語で、高畑さん自身、「誰かがいちどきちんと映画にすべきだ」と言っていたのを思い出したんです。あらためて高畑さんにその話をすると、「誰かが作るべきだとは言い

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  • 「なぜ高畑勲さんともう映画を作りたくなかったか」――鈴木敏夫が語る高畑勲 #1 | 文春オンライン

    高畑さんが亡くなり、「お別れの会」を終えたいまも、気持ちが収まる気配がありません。徳間康快や氏家齊一郎さん、あるいは親父やお袋が死んだときも、葬儀を終えてしばらくしたら、心の整理はついたんです。ところが、今回はなかなか落ち着かない。気がつくと、すぐそこに高畑さんがいるんですよ。こんなことは生まれて初めてです。それだけ強烈な人だったということなんでしょうけど、正直なところ困っています。 お別れの会でも話しましたが、高畑さんと僕は最後の最後まで監督とプロデューサーでした。ある種の緊張関係がずっとあったんです。 鈴木敏夫(スタジオジブリ 代表取締役プロデューサー) ◆ ◆ ◆ 最初にじっくり話をしたのは、高畑さんが『じゃりン子チエ』を作っているときでした。当時の僕は『アニメージュ』の編集者。制作会社テレコムがあった高円寺の喫茶店でインタビューすることになりました。席に着くやいなや、高畑さんは先制

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  • ジミー大西の人生を描いたドラマ 明石家さんまが唯一気にしていたこと | 文春オンライン

    ──こうやってお会いすると、ジミーさんとは似ても似つかないですね。 「最初はどうやって役にアプローチして取り組んでいいか、しばらくわからなかったんです。たくさんジミーさんの過去の映像を見たけれど、見れば見るほどマジでわからなくなるというのが率直な感想で(笑)。気をつけていたのは、モノマネにならないように、ということです。 あくまでひとつのドラマとして観る人に感情移入してもらいたかったから、モノマネしている感じが邪魔になってストーリーに入っていけないということは避けようとずっと思ってました」 明石家さんまが「ジミーがいる気がした」と呟いた舞台 ──ドラマの中ではジミーさん人にしか見えませんでした……。 「さんまさんがたぶん見抜いていたんでしょうね。僕とジミーさんがどこかで重なり合うところを。さんまさんと以前『七人ぐらいの兵士』という舞台で共演させていただいたことがあるんです。僕とさんまさん

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