コンサルタントは恨まれて一人前――現場密着し、執念持て:間違いだらけのIT経営(2/2 ページ) 現場に密着し聞き取りせよ 大企業C社のD工場は、長年生産管理が混乱していた。製品の納期は恒常的に遅延し、製造工程の不良品や能率管理が正確に把握できず、棚卸資産は底の方に長期間動かない停滞品があって常に過剰、従業員のモラールも低下していた。E工場長はかねてから業界で知り合いの個人コンサルタントFに、D工場生産管理の抜本改革を依頼した。Fは知識も経験も豊富で、分析力もあり、論理的で、一見理想的なコンサルタントだった。 しかし、Fは部長以上を相手にした。特にE工場長と接触する機会が多かった。従って製造現場では、コンサルタントが入っていることさえ知らなかった。結果は、FコンサルタントがD工場の上澄み液をすくってE工場長に飲ませただけだった。Fが去った後、D工場の混乱した実態は変わらなかった。 コンサル