「北海道の幸は北国ということもあり1年を通して、料理の味つけはとにかく濃い。だから日本酒と合わせるのは至難の業です。酒屋さんから教えてもらった銘柄やイベントや勉強会で酒蔵さんのお話を聞いて気になったものを取り寄せ、まずはテイスティング。うちの料理と合うと判断したもののみ店頭にだします。北海道の地酒も必ず1、2本は用意していますが、地のもの同士の相性がいいのは当たり前。だから私は、北海道の幸をあえて九州や西日本など遠くのお酒とペアリングし、来店するお客様に楽しんでいただきたいんです」 藤橋さんが最近注目するのが山廃(自然界に存在する乳酸菌、酵母を取り込んで造る日本酒)だ。なかでも愛知県藤市酒造『菊鷹』の山廃純米吟醸は注目株だという。 「愛知県の藤市酒造さんの『菊鷹山廃純米吟醸酒 雄飛 無濾過生 27BY』は衝撃的でした。杜氏は、日本酒業界では有名な「山本スペシャル」を世に送り出した山本克明氏