「家族主義」をかかげる会社は、社員にとって本当に居心地がいいのか。栃木県宇都宮市に「社員第一主義」を掲げる中小企業がある。社員50人のうち30人は、元ひきこもりや元薬物中毒などの“わけあり社員”。それでも年々業績を拡大させているという。同業者からの視察も相次ぐという不思議な経営手法を取材した――。 ■店内にタイヤがないタイヤ店 栃木県宇都宮市の環状線沿い、中古タイヤ販売と買取修理の大型店舗を構えるアップライジング。ネット通販と直販で年々業績を伸ばし、2006年の創立時1億2000万円だった売り上げが、前期は4億5800万円にまで急成長している。 この会社が、最近大きな注目を集めている。従業員50人という小規模なのに、大企業やライバル企業から、会社見学の申し込みが絶えないというのだ。 店舗を訪ねてみると、入り口の看板には「新品はご近所で、中古は当店で」と書かれていて、さっそく面食らう。店内に