トラックが万一、事故を起こせば、人の命を奪い一生を台なしにする大惨事になりかねない。このため事故防止に徹底して取り組む運送事業者は多いが、その中で雇用を守る法令と、安全を守る法令との矛盾に直面した事業者がいる。運転に支障がある薬を病気治療のために処方されているドライバーの雇用をめぐって、神奈川県の事業者では3年越しの裁判が続いている。 アルコールチェッカー義務化など、事故を未然に防ぐため運行管理が厳格にされている昨今。点呼では機器による飲酒検査だけでなく、顔色や会話の様子でドライバーの状況を把握する。ところが同事業者では、ドライバーが病院から睡眠剤を処方されていることが発覚し、その後の対応が複雑になった。 そのドライバーは採用面接で、健康状態は問題なく「病気はない」と答えていたという。そこで大型車に乗って3か月の試用期間になったが、住宅に車両をぶつけるなど試用期間だけで3、4回の事故を起こ