今日からマクロ経済学のモデルに入ります。最初は「世界で一番シンプルなマクロモデル」です。クルーグマンによると、もし、マクロ経済学がいつもまじないのように聞こえるなら、セイの法則にとらわれているなら、総需要の不足という事態がどうして起こるのかすらわからないなら、この「世界で一番シンプルなマクロモデル」は理解へいたる最初の一歩としていいアイディアだ。とのことなので、まさしく僕にぴったりです。数式に入る前に、このモデルの特徴を説明しておきます。 このモデルはミクロ的基礎付けからはじまります。つまり、先日のエントリーのフレームワークにのっとって、個人の最適化から需要曲線を導くことから始まります。このモデルは経済の需要サイドに着目したモデルなので、供給曲線は単純化されます。貨幣は効用関数のなかに直接入り、貨幣のみが貯蓄の手段です。ケインジアンのモデルとしては、貨幣の扱いは比較的きっちりしています。清