◆ベトナム、短粒種を増産・日本へ米輸出にらむ 環太平洋連携協定(TPP)交渉に参加しているベトナムで、日本の企業が現地農家に日本米(短粒種)の栽培方法を指導し、第三国に輸出しようとする動きが強まっている。TPP交渉がヤマ場を迎える中、米の関税撤廃は避けて通れないと見越し、日本への輸出を視野に商機をうかがっているためだ。仮に日本産と品質が同等の米が輸入されれば、国内の稲作が政府試算より深刻な影響を受ける可能性があり、米など重要品目の関税撤廃からの除外が、あらためて重要となる。 ◆TPP見越し農業法人が技術指導 ベトナムの首都ハノイから車で1時間半。ハイズオン省ビンジャン市の水田に「あきたこまち」と「ひとめぼれ」の稲穂が揺れる。「ベトナムの品種より生育期間が2週間短く、作りやすい」と、栽培するファン・ティ・ホアさん(31)は話す。3期作が可能な当地で、現在2期作目の収穫を間近に控える。