さて、1年前との比較ですが、人口は12万人減って967万人です。しかし、労働力人口は2万人増えています。835万人になりました。この年齢層は労働市場に戻ってきています。労働供給が減ったゆえの人手不足とは無縁です。労働力率は85.1%から1.2ポイント上昇して86.3%です。就業者は横ばいで811万人です。就業率は、やはり1.1ポイント上昇して83.9%です。雇用率は77.5%です。0.7ポイントしか上昇していません。労働市場に戻ってきているのにそれをすべて受け入れるほど雇用は増えていないのです。その結果、完全失業者は2万人増えて24万人です。失業率は0.3ポイント上昇して2.9%です。この層の雇用の確保を図る必要があります。 男女別にみると男性が厳しい状況に置かれているのが分かります。労働力率は0.3ポイント上昇して96.1%に上がっています。就業率も0.6ポイント上昇して93.7%です。
この年齢層は、就職氷河期時代に社会に出ることになり、最初から厳しい状況にさらされ、その後も好景気といったものをほとんど経験してこなかった層です。 この年齢層は、人口は806万人で前年同月に比べて30万人も減っています。人口が減っている以上正社員の数が減るのはやむを得ない面がありますが、すぐ下の30歳から34歳は正社員の割合が高まり、すぐ上の40から44歳は維持しているのに、この層では1.4ポイントも低下しています。男女別にみると男性は72.3%で、2.5ポイントも低下しており、女性は33.2%で、0.2ポイント低下です。30歳から34歳は男性が0.6ポイントアップ、しているのに比べると厳しい状況ですし女性では30から34歳は1.6ポイント、すぐ上の40から44歳は1.4ポイントアップしていることを案がえ合わせると、女性も、厳しいといわざるを得ません。 「7月の35歳から39歳正社員は426
1997年以降、日本はかなり激しい「賃金デフレーション」に見舞われてきた。 簡単に言えば、これは、<賃金率の低下→雇用者所得の減少→消費支出=消費需要の縮小→景気悪化→賃金率の低下>という悪循環に陥ったことを示している。 しかし、こうした「賃金デフレ」が見られたのは、少なくとも主要国の中では日本だけではなかっただろうか? 確かに米国でも賃金圧縮(wage squeeze)が生じ、その結果、賃金シェアーの低下が見られ、労働生産性が上昇しても実質賃金がほとんど上昇しないという現象が1970年代以降顕著となっていた。しかし、この場合でも、貨幣賃金(名目賃金)は上昇していた。もっとも米国では1980年代から今日に至るまでマイルドなインフレーション(消費者物価の上昇)が生じていたため、実質賃金がほとんど上がらなかったことも付け加えておかなければならない。 本題に戻ろう。なぜ日本のみ貨幣(名目)賃金の
リフレ派の大半は不満のようだが、リフレーション政策が機能しない事は、日銀審議委員の間でコンセンサスを得つつある。インフレ目標値の達成を目指してきた日銀が、目標未達にも関わらず、9月20日の日銀金融政策決定会合で、さらなる量的拡大を諦めた事はその現れであろう。これに関してリフレ派から量的緩和だけがリフレーション政策ではないと言う主張もあるのだが、その主張には無理があるので指摘したい。リフレ派の学者もネット界隈の支持者も、ひたすら量的緩和を主張してきていた。 1. 日銀に入ったリフレ派は主張を変えた 金融政策に関与できるようになったリフレ派の学者は、その主張を既に変えている。産経新聞がリフレ派とされる原田泰審議委員の持論の変節を説明*1しているが、日銀が国債などを買い入れる量的緩和でインフレ期待やインフレ率をコントロールしようとすると一般に理解されるリフレーション政策は、少なくとも3年と言う期
昨日紹介したFrancis Dieboldの3連エントリの2番目にHal Varianがコメントし、Dieboldが指摘した問題――機械学習は因果関係の無い予測に重点を置くが、計量経済学は因果関係のある予測に重点を置く――について自分が以前書いた論文を2篇紹介している。一つは機械学習に詳しい人向けで、もう一つは経済学者向けとの由。 以下は前者の論文「Causal inference in economics and marketing」の要旨。 This is an elementary introduction to causal inference in economics written for readers familiar with machine learning methods. The critical step in any causal analysis is est
についてFrancis Dieboldが3つのエントリに亘って論じている(ここ、ここ、ここ;H/T Economist's View)。 彼が挙げた両者の相違は以下の2点。 機械学習は因果関係の無い予測に重点を置くが、計量経済学は因果関係のある予測に重点を置く。 換言すれば、機械学習は条件付き期待値を求めようとするが、計量経済学は偏微分を求めようとする。 時系列分析のように、計量経済学も因果関係の無い予測を求めることがあるが、その歴史は機械学習より遥かに古い。また、その場合は統計学に近いとも言える。「データサイエンティストとは何か?」「サンフランシスコに住んでいる統計学者のことさ」という古いジョークがその間の消息を物語っている。 計量経済学(および統計学)は、不確実性の確率的な評価に関心がある。一方、機械学習は点予測で満足してしまうことが多い。計量経済学(および統計学)は、区間予測、最終的
Economist's Viewも取り上げているが、5日エントリで紹介したブランシャールの論考にサイモン・レンールイスが反応している。そこで彼は、ブランシャールの書いた For conditional forecasting, i.e. to look for example at the effects of changes in policy, more structural models are needed, but they must fit the data closely and do not need to be religious about micro foundations. (拙訳) 条件付き予測、即ち例えば政策変化の効果を見る際には、それよりは構造的なモデルが必要となるが、データの当てはまりが良くなくてはならず、ミクロ的基礎付けにこだわる必要はない。 という一節を
アデア・ターナーが、9日エントリで紹介した論説と一脈通じていなくもない表題のProject Syndicate論説(原題は「The Skills Delusion」)を書いている(H/T 本石町日記さんツイート)。 This disconnect between employment and value added reflects the role of information and communications technology (ICT), which is distinctive in two crucial respects. First, in line with Moore’s Law, the pace of hardware productivity improvement is dramatically faster than it was at earlier
サイモン・レンールイスが、自分の論文に反応したクルーグマンに反応し、財政赤字削減を常に求める一般的な心理を表題のブログエントリ(原題は「Very Serious People and the deficit」)で分析している。 Keynes talked about 'practical men' who tended to absorb some of the wisdom of 'academic scribblers' of 'a few years back'. The wisdom in this case was deficit bias: the tendency that many economists discussed before the financial crisis for deficits and debt to tend to rise over time,
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