消費税10%への引き上げは内税表示の義務付けと税制中立な恒久所得減税&給付と組み合わせれば国民の幸福度はむしろ高まると思う
昨日の経済教室の永瀬伸子先生の論考は、非常に興味深かったね。特に、「未婚期でも非正規雇用にしか就けない女性が高卒層、短大・専門学校卒層に拡大しており、しかもこの層の結婚・出産が遅滞し、離婚も増えている」という指摘は重要だ。日本は、一夫多妻制ではないので、所得の高低に関わらず、あまねく結婚・出産ができるようでないとならない。少子化対策の筆頭は、両立支援や待機児童だが、これは主に高所得層向けであることを意識する必要がある。 そうでないと、待機児童は解消しても、出生率が上がらないなんてことになりかねない。だからこそ、本コラムは、保険料を軽減して非正規も厚生年金に加入させ、年金から月8万円を3年間給付するというプランを示している。実物給付が少子化対策には効果的というのが定説だが、「貧困の解決には、お金を与えるのが一番」という面もあるのでね。「あまねく」のためには、複合戦略が必要になるが、待機児童の
14日エントリと16日エントリで紹介したガーディアン紙記事を巡る議論にクリス・ディローも加わり、以下のように書いている。 For me, there seems to be a presumption here which both sides seem to share but which I don’t – or at least that I don’t care about. It’s that economics is a canon of work which is taught to students and the outside world. However, I think of economics differently – as a box of theories, evidence and mechanisms which help me make sense o
クルーグマンをリフレ派の開祖と呼ぶのが適切か、というツイッター上の議論を目にしたが、そこでuncorrelated氏は、量的緩和を偏重するか否かをクルーグマンといわゆるリフレ派との違いとして挙げていた。確かにクルーグマンはバーナンキを量的緩和偏重と批判したことがあり、その点ではむしろバーナンキの方がクルーグマンよりもリフレ派に近いと言えるかもしれない。ただし、そのバーナンキがテーパリングを検討し始めた時にはクルーグマンは猛反対しており、効果が乏しいと貶したはずの量的緩和でも、巻き戻すとなると誤ったシグナルを発することになる、という認識を示している。逆に言えば、いわゆるリフレ派的な量的緩和でもクルーグマンが望ましいと考えるシグナルを補強するのに役立っているわけで、その点で両者の議論の差はuncorrelated氏が強調するほど大きくないようにも思われる。実際、代表的なリフレ派である田中秀臣氏
女子テニス史上最強とされるセリーナ・ウィリアムズ自身が、アンディ・マリーと対戦すれば6-0、6-0で負けるだろうと認めていますが、圧倒的な実力差にもかかわらず、四大大会の優勝賞金は男女同額です。このことは、女には実力以外の何らかのプレミアムが付加されていることを示しています。 ftw.usatoday.com 下は男女同額の「正しさ」について詭弁を弄する記事ですが、 5 reasons why tennis should keep paying men and women equally https://t.co/dGVXql2JaX pic.twitter.com/zy8NzNhk21 — Money (@MONEY) 2016年3月22日 根拠その4の"Men get paid the same as women in figure skating and gymnastics"が、男
フェデラーが8回目の優勝を果たしたテニスのウィンブルドン選手権では、10年前から優勝賞金が男女同額になっています(今年は220万ポンド≒3億2千万円)。全米、全仏、全豪は既に同額になっていたので、四大大会すべてが男女同額です。 How women won the fight for equal prize money at Wimbledon https://t.co/XvtDkWYvMG pic.twitter.com/fDH0I5VUTj — World Economic Forum (@wef) 2017年7月11日 一見すると「男女平等」ですが、異論も根強くあります。 www.sankeibiz.jp 「女子テニス協会(WTA)は男子(選手)の威光を傘に着ている。もし私が女子選手だったら毎晩、ひざまずき(男子プロテニス界のビッグ4のうちの2人である)スイスのロジャー・フェデラー選手
一つのよく知られた図がある。 日欧米の中央銀行の総資産(GDP比)の推移を示すものである。 すでに2012年までの時点で、日銀は欧米の中央銀行(FRB、ECB)以上の量的緩和を実施していた。その後、黒田日銀の下で、異常ともいえる金融緩和が行われてきた。その方法は、国債購入やETFであり、その結果、日銀はほぼGDPに等しい額の資産(国債、ETF,融資など)を保有するに到っている。 そのような中で、GDPの1/4ほどに相当する資産を持つにすぎない(!?)FRBが保有資産の圧縮に踏み切る。欧州もその下地をこしらえている。 しかし、黒田日銀は、ずっと前に達成するはずだった「デフレ不況」克服を達成できずに、達成時期を先に、先にと何度も延長してきた。まだまだ、日銀の保有資産がGDPの(例えば)二倍になっても続けるつもりだろうか? FACTAが「緩和日本」一人旅と指摘するとおりである。 FRB「資産圧縮
「長期停滞」、「デフレ不況」といわれてきたものの実態を分析するために、最初に分析の道具を紹介しておきたい。 その道具は、ケインズの「物価の理論」にある。 J・M・ケインズは、『一般理論』第21章「物価の理論」の最後の文(結論)で次のように述べている。 物価が長期的に見て安定的になるか不安定的になるかは、賃金単位(もっと正確に言えば、費用単位)が生産体系の能率の上昇率に比してどの程度の上昇傾向を持つかに依存している。 この文章は、ちょっと読んだだけではわかりにくいかもしれないけれども、物価、つまり商品(財やサービス)の価格が長期的にみて上昇するか、下落するかは、「賃金単位」と「生産体系の能率」の変化によって決まるという趣旨である。 これは、ケインズが「貨幣数量説」を根本的に否定している一節でもあり、重要なので、少し詳しく説明しておきたい。彼は、物価が所得・費用と密接に関係していると考えていた
現在、アベノミクスをかつて支持していた「ブレイン」たちの言い訳があちこちでなされている。 その一人、浜田宏一氏や岩田規久男の言い訳を紹介し、批判したサイトを一つだけ紹介しよう。 Money Voice http://www.mag2.com/p/money/27546 そもそも「物価は貨幣現象」というのが、浜田氏や岩田氏、黒田氏などの「リフレ派」の主張だった。 もちろん、物価が貨幣に密接に関連した現象であることは、誰も否定していない。問題は、「貨幣現象」という表現を超えたことを、彼らが主張していることである。彼らの主張は、むしろ「貨幣数量説」と呼ぶ方が正確である。 では、貨幣数量説とは何か? それは物価水準が貨幣ストック(市場に供給されている貨幣量の総額)によって決定されるというアイデア、教義である。それは次のきわめてシンプルな数式によって示される。 PQ=MV この式で、Mは貨幣量、Vは
すこし古くなってしまったが、民主党がなぜ選挙で敗れ、自民党が勝ってきたのか、なぜ日本のリベラル左派は政治的に大きな力を発揮できないのか、これについて宮崎駿氏がイギリスのタイムズ紙のインタビューに応じ、答えている(2015年7月14日)。 イギリスのTIMES誌です。安倍首相に関しては、よく分からない部分があります。たとえば原発問題などの世論調査を見ると彼の人気は低いが、選挙では自民党が勝ってきました。宮崎監督もどちらかというとリベラルに属していると思いますが、なぜ日本の左派の人々は政治的に大きな力を発揮できないんでしょうか?宮崎駿さん:「民主党の最初の総理は、沖縄の基地の問題についても日本全体で背負うべきであって、『沖縄だけに負担させるのは間違いである』と、はっきり言った方です。でも、たちまち党内の勢力争いの中で、引きずり降ろされてしまいました。その後、地震と原発が立て続けに(日本を)災厄
かつて安倍首相は、「私の名はアベノミクスによって歴史に残る」と語ったそうだが、たしかにネガティブな意味ではそうだろう。 かつてある社会科学者が述べたように、人間は歴史を作るが、自由に作ることができるわけではない。与えられた条件の中で、またそのときどきの歴史的・制度的条件によって制約された手段を用いて作ることができるだけである。 したがって何かを変えるために政策を打ち出す者は、最初に現状を分析し、所与の条件や利用できる手段の妥当性を検証しなければならない。しかし、安倍氏には、これらの必要条件とも言えることを行う能力が欠如している。「云々」という感じを「でんでん」と読むのはまだ無害であり、許容しうる。だが、政策立案に能力の欠如については、決して許すことができない。 さて、同じ資本主義経済でも各地域、各国によって大きな歴史的環境・条件の相違、制度的相違があり、それが人々の経済活動の結果、パフォー
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く