戦後一貫して自治体の骨組みであり続けた議会と首長の二元代表制を問い直す議論が始まった。政府は6月下旬に閣議決定した地域主権戦略大綱で「議会は住民の意見を反映できていない」と指弾。橋下徹大阪府知事を発信源にした自治体「内閣制」の導入に賛否が渦巻いている。二元代表制の一翼を担う議会に未来はあるのか。(地方議会取材班) ◎議員が経営責任共有・橋下氏/権力の分散望ましい・増田氏/監視機能発揮できず・三谷氏 <提唱の真意明かす> 大阪市で2日、全国の地方議会関係者が参加して全国自治体議会改革推進シンポジウム(三重県議会など主催)が開かれた。パネル討論には大阪府の橋下知事も参加。自治体「内閣制」を提唱した真意を公の場で初めて明かした。 橋下氏が委員を務める政府の地域主権戦略会議に提出した資料では、自治体「内閣制」について「議員の一部を副首長や幹部職員に政治任用することで、首長と議会が自治体経営へ
過去に例のない事件、動機が理解できない凶悪犯罪が相次ぐ現代は、体感不安が拡大している。安心・安全という言葉が強調され、世の中を覆う不安はどうも尽きない。そんな「不安社会」の実像を見つめ、東北大大学院文学研究科の吉原直樹教授(社会学)の関連する研究成果も織り交ぜながら、人々の営みを豊かにする安心・安全の在りようを考えたい。(「不安社会」取材班) パネル討論では、労働法教育の実践事例や、NPOの果たす役割などを話し合った。3人のパネリストからは、労働法教育の普及には「教員の意識向上、努力が不可欠」という意見が相次いだ。 ▼実践の具体例 1年生を担任する三浦さんは、学級通信に随時、労働法Q&Aを載せ、生徒の関心を喚起しているという。前任校では、5年間進路指導部長を務め、卒業前の3年生には自ら労働法を講義してきた。 「問題を抱えた卒業生が、労働基準監督署や弁護士に相談するのはハードルが高い。最も
過去に例のない事件、動機が理解できない凶悪犯罪が相次ぐ現代は、体感不安が拡大している。安心・安全という言葉が強調され、世の中を覆う不安はどうも尽きない。そんな「不安社会」の実像を見つめ、東北大大学院文学研究科の吉原直樹教授(社会学)の関連する研究成果も織り交ぜながら、人々の営みを豊かにする安心・安全の在りようを考えたい。(「不安社会」取材班) 若者のための労働法教育をめぐって、河北新報社「不安社会」取材班とNPO法人「POSSE」が先月開いた雇用問題セミナーの模様を紹介する。テーマは「働く者の権利やルールを若者にどう教える? 雇用不安社会の中で」。北海道大の道幸哲也教授が「労働法を身近なものに」と題して講演した後、宮城県貞山高の三浦浩教諭らと討論した。 北海道労働審議会の会長を務めていた2006年、働く際の権利義務について教える必要性を盛り込んだ報告書を道に提出した。高校などの教育現場では
<全国に名通る> 「議員報酬は高い」「市の予算の使い方を議会はちゃんとチェックしているのか」 10月22日夜、気仙沼市内で市議4人が住民懇談会を開いた。集まった約20人からは市と議会への意見、注文が相次いだ。 4人は気仙沼市に隣接する旧本吉町の町議だった。9月1日に町が市と合併し、市議になった。 懇談会に集まったのは合併前からの市民。初めての顔ばかりだが、「言うことは山ほどある」と遠慮がなかった。4人の元町議の1人、佐藤一郎さん(66)は「市民はやはり対話の場を求めている」と実感した。 旧本吉町は全国的な知名度では、漁業基地の気仙沼市に劣る。だが、地方議会の世界では、「改革の源流」として名が通っていた。 2001年、住民に議会活動を説明する議会報告会を始めた。「分からないことを執行部に質問するだけ」「選挙の時しか地域を歩かない」―。住民の批判に応えようとした挑戦が、他の市町村より先
弁護士が高校へ出向き、生徒に労働者の権利について解説するユニークな出前授業を、仙台弁護士会が始めようとしている。景気悪化に伴う違法解雇の増加など、若者の雇用環境が不安定化する中、最低限の知識を身に付けて、身近な労働問題解決に役立ててもらうのが狙いだ。 <学ぶ機会少なく> 「20代で管理社員に登用し、残業代を出さずに人件費を削るなど、企業の悪質さが目立ってきた。一方で、若者の多くはアルバイトにも有給休暇が認められるなどの法知識がなく、有給の取り方を知らない人もいる」 仙台弁護士会の鶴見聡志弁護士(40)は、厳しさを増す若者の労働環境を説明する。派遣やアルバイトなど、権利の限定された非正規雇用の労働者は増える一方。労働組合加入率の低下などで、社会に出てから労働法について学ぶ機会も少なくなっているという。 弁護士会は1月、宮城県内の高校109校を対象に、「働く者の権利に関する教育について
「秋まで仕事ないから、自分で探して移ってよ」。奥州市出身のフリーター、タカさん(26)=仮名=は、2007年7月末、バイト先の店長から突然解雇を言い渡された。期限はわずか10日後。「もう少し働かせてほしい」と粘ったが、全く相手にされなかった。 <上司たちの横暴> 職場は東京都内にある出身大学の生協。07年2月にアルバイトを始め、1カ月後には店長ら上司の横暴が目に付くようになったという。 卒業・入学の繁忙期が過ぎた5月、店長から土日休みの確約を得たにもかかわらず、3カ月も土曜出番が続いた。たまらず指摘すると店長は前言をすっかり忘れ、「そんなこと言われても困る」と逆に苦情を言われた。 タイムカードを押して勤務を終えた後、大型家電店へ出向いて注文品の見積もり業務をさせられたこともあった。「店は帰り道にある」と交通費はなし。1時間半ほど余計に拘束されたが、残業代も出なかった。 不満があっ
派遣切りやサービス残業など、職場の違法状態が深刻化している。それにもかかわらず、働く人の多くは自分の置かれた立場になかなか気付かない。そんな事態を打開しようと、若者らに労働法を知ってもらおうという取り組みも始まった。来月、河北新報社で開く雇用問題セミナーを前に、働く者の権利について考える。(生活文化部・矢嶋哲也) 本村博幸さん(33)は1月末の夜、雪の降る仙台の街をあてどなく歩き回った。年末に派遣切りに遭い、仕事と住居を同時に失った。所持金も使い果たし、寒さと空腹で気が遠くなりそうになりながら、必死に夜明けを待っていた。 茨城県ひたちなか市の建築機械製造工場で働いていた本村さんが、契約途中で解雇されたのは昨年12月20日だった。「話が違う」。派遣会社に食い下がり、県内の別の工場を紹介されたが待遇が悪く、勤め始めて3日後に工場を去った。 <自己都合退職に> このわずか3日間のために、
過去に例のない事件、動機が理解できない凶悪犯罪が相次ぐ現代は、体感不安が拡大している。安心・安全という言葉が強調され、世の中を覆う不安はどうも尽きない。そんな「不安社会」の実像を見つめ、東北大大学院文学研究科の吉原直樹教授(社会学)の関連する研究成果も織り交ぜながら、人々の営みを豊かにする安心・安全の在りようを考えたい。(「不安社会」取材班)=水曜日更新= 雇用不安が深刻さを増す中、河北新報社は「労働法を使おう!―若者が違法状態をあきらめない教育を」と題するセミナーを7月4日、仙台青葉区の本社で開く。共催する東京のNPO法人「POSSE(ポッセ)」代表理事の今野晴貴さん(26)=仙台市出身=に、労働法を使いこなせる教育の必要性を聞いた。 <企業の言うがまま> ―POSSEは雇用不安問題の打開策を提言しようと、ハローワーク前での聞き取り調査などを行っています。 「若者の使い捨てが増えて
波間に浮かんだラジオブイに、近海マグロはえ縄船「海青丸」がゆっくりと近づく。「四つ鉤(かぎ)」と呼ばれる道具でブイをたぐり寄せ、幹縄を引き上げる。 昨年11月24日午前零時20分。ギィーッ。幹縄を巻き取る油圧リールが金切り声を上げる。この航海で初めての揚げ縄が始まった。 リールの操作、幹縄に一定間隔で取り付けられた枝縄の回収、掛かった獲物の引き上げと魚艙(そう)への運搬。漁労長を除く乗組員が二つの班に分かれ、交代で食事を取りながら徹夜で作業を続ける。 [ 続きを読む ]
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