東京電力福島第一原発事故で警戒区域などに指定されている福島県浪江町が、国と県の責任者らを刑事告発する方向で検討していることが11日、分かった。 5月下旬に結論を出すという。 馬場有(たもつ)町長によると、原発事故後、放射性物質の拡散予測システム「SPEEDI(スピーディ)」の結果が公表されなかったため、町民が放射線量の高い地域に避難し被曝(ひばく)したことが主な理由。今後、専門家に法的に可能かどうか、告発する場合は対象者や罪名を検討してもらう。 浪江町では原発事故の発生直後から住民約2万1000人の大半が避難。町によると、約8000~1万人が一時逃れた原発と反対方向の同町津島地区は、実際には放射線量が高かった。 馬場町長は「町民はしなくていい被曝をした。人の命を何だと思っているのか。殺人行為だ」と述べた。