埼玉県八潮市の県道交差点で1月末、突然できた穴にトラックが転落した。当初、70代の男性運転手は消防隊員と話ができており、救出にはそれほど時間がかからないだろうとの見方もあった。 しかし穴は徐々に拡大。下水道管からあふれた大量の汚水が救助を阻み、作業は長期化した。不明だった男性の遺体が見つかったのは、3カ月以上たった5月2日。男性の家族は「孫やひ孫に沢山の愛情を注ぎ、成長を楽しみにしていた。信じることも、受け止めることもできない」と悲痛な思いを抱える。 下水道管の老朽化が原因とされる陥没は各地で年に2千件超起きている。対策はあるのか。この3カ月を記者の取材を基に振り返る。(共同通信・陥没事故取材班) ▽救出まで「20分以上」 1月28日午前10時前。埼玉県八潮市の県道交差点が突然陥没した。幅は約10メートル。そこへ、ちょうど進入してきたトラックが前部から落下した。当初はトラックの荷台部分が見
