今年7月、プロボクシングWBC・WBO世界スーパーバンタム級統一王者に挑戦した井上尚弥が勝利し、4階級制覇という偉業を成し遂げました。直後に格闘技大会「ブレイキングダウン」出場選手が「喧嘩なら私の方が強い」「喧嘩なら余裕で勝てる」とSNSに投稿して大ひんしゅくを買ったのです。 いささか旧聞に属する話題を今回持ち出したのはプロボクシングから喧嘩を連想する心理が投稿者の思惑を超えて深刻な問題を抱えてはいないかと筆者自身が逡巡していたため。具体的には袴田事件を現出させたプロボクサーへの偏見です。以下にご説明します。 強い制限下で洗練された技量の持ち主だけが挑める世界戦 イギリス発祥とされる現代プロボクシングの系譜を手繰るとはそもそも喧嘩をルーツとしていません。興行目的が主です。素手時代でもダウンしたら攻撃中止やローブロー、サミング、バッティング、レスリング行為などの反則が定められ、20世紀に入る
![「井上尚弥に喧嘩なら勝てる」発言からかぎ取る「ボクサー=粗暴」という袴田事件に通じる持続低音(坂東太郎) - エキスパート - Yahoo!ニュース](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/601d65b3e6d91d34d91e6f48b1b2ea76420bea62/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fnewsatcl-pctr.c.yimg.jp%2Ft%2Fiwiz-yn%2Frpr%2Ftarobando%2F00361848%2Ftitle-1691869261036.jpeg%3Fexp%3D10800)