日本では無断サンプリングが問題となった著作権侵害訴訟はまだ起きていないが、実務上では多くの紛争が発生しており、海外の権利者から多額の使用料を請求されるケースも少なくない。また、レコード会社の法務部も紛争処理や権利処理に慣れているとはいえない状況にある。 一方、アメリカでは1991年のBiz Markie事件以来、多くのサンプリング訴訟が起きているため、訴訟リスクを抱える音楽業界は権利処理の方法をすでに確立している。そこで今回は、アメリカにおけるサンプリングの重要裁判例を紹介し、アメリカの裁判所がこの問題にどのように対応しているのかについて解説してみよう。 ミュージック・サンプリングとはアメリカの有名な法律辞典であるBlack's Law Dictionaryによると、サンプリングとは「サウンド・レコーディングのごく一部を取って、新しいレコーディングの一部としてその部分をデジタル処理によって
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