貿易協議が再開したとはいえ、長期化が予想される米中貿易摩擦。その余波は、中国のEC業界にも及んでいる。 中国EC最大手のアリババグループが牽引する、毎年11月11日の「独身の日」セールは日本でも認知度が高いが、6月にも巨大なセールがあることはあまり知られていない。EC業界2位の京東(JDドットコム)が6月1~18日まで、自社の創業祭として主導する「618セール」だ。「独身の日」セールに匹敵する売り上げ規模になりつつある。 従来は、京東が5月から大規模なプロモーションを始めるのに対して、ライバル企業は傍観することが多かった。「京東のセールに参加しても、結局は京東の存在感を高めるだけ」(アリババ関係者)。だが、今年から状況が一変した。5月に入り、アリババが「独身の日に相当するセールを6月にも実施する」と、明言したのだ。 EC新興勢力の拼多多(ピンドゥオドゥオ、PDD)も100億元(約1600億