世界最大の発電量を持つ東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)がなかなか動かない。再稼働に向けた原子力規制委員会の審査に申請してからはや2年。何がネックになっているのか。取材班はこの原発の単独取材を許され、重要な安全設備や機器を確認した。しかしその直後、新たな安全上の問題が浮上する。柏崎刈羽の再稼働は、東電の経営の命運を握るとされるが、自ら首を絞める形となった。福島第1原発事故を起こした東電には、その反省と教訓を胸に、徹底的な安全対策が求められている。(原子力取材班) 7000人の作業員が従事 新潟県柏崎市と刈羽村にまたがる原発の敷地は広大だ。東京ドーム90個分にも当たる約420万平方メートルの敷地に、合計出力821万2千キロワットになる計7基の原子炉がある。1カ所の原発としては、世界最大規模の発電量を誇る。 構内では現在、廃炉作業の進む福島第1原発とほぼ同じ、約7000人が働いているという。厳重に