職業レリバンス派の女王(?)本田由紀先生が、そのものを標題にした新書を出されました。 現在、日本学術会議の「大学と職業との接続検討分科会」でご一緒させていただいているわたしには、毎回お聴きして耳になじんでいるお話しですし、もちろんそれ以前から本田先生があちこちで力説してこられたことの総まとめですので、全体に特に新しい議論を展開されているわけではありませんが、一般向けの新書で「レリバンス」(という言葉はほとんど出てこず、もっぱら「意義」とされていますが)論を普及させる上では意義深いと思います。 特に、普通は最後に来るようなレリバンス論への否定的な意見に対する反論を序章で一気にぶつけているのは、読者へのショック療法という意味ではなかなか興味深いやり方です。具体的には、 ①「教育に職業的意義は不必要だ」 ②「職業的意義のある教育は不可能だ」 ③「職業的意義のある教育は不自然だ」 ④「職業的意義の