「なかなかモチベーションが上がらなくて……」 そう答える34歳の営業パーソンに対して、私はどうしようもない時代錯誤を感じた。私は企業の現場に入って目標を絶対達成させるコンサルタントで、彼の会社と戦略を練るセッションの最中だった。 34歳の営業パーソンにとって、新規開拓で6000万円の売り上げをつくることが、その年の目標であった。そのための戦略、行動計画はすでに本人と一緒に作りあげていた。なのに、その計画どおりに行動しなかった。不測の事態があったわけでもない。 そこで、上司の課長から「どうしたんだ」と問い詰められたので、彼は「なかなかモチベーションが上がらなくて」と答えた。さすがに上司も、ほかの部課長も、そして彼の後輩の若い営業2人も、呆気にとられていた。 セッション終了後、自動販売機の前で缶コーヒーを飲みながら、2人の若者たちと意見交換をした。私は彼らに「モチベーションって言葉、今も使うの