経済協力開発機構(OECD)が、24の国と地域で16~65歳を対象に国際成人力調査(PIAAC)という調査を行いました。この調査は今回が第1回なのだそうですが、日本は「読解力」と「数的思考力」の平均点で1位となったとして、各新聞の社説などでは「日本の教育水準の高さが証明された」という種類の評価がされているようです。 この結果は各国でも報道されており、アメリカでは、例えばAP通信が配信した記事では「アメリカの成人の基礎学力が相当に低い」ということ、日本はその点で大変に優れていることなどを取り上げて、「自分たちは何とかしなくてはいけない」というニュアンスで伝えられています。 ですが、私はこの発表を見て喜んでばかりはいられないものを感じました。2点申し上げておきたいと思います。 1点目は調査の評価の問題です。この調査ですが、4種類の領域で構成されています。(1)読解力、(2)数的思考力、(3)I