天地開闢(てんちかいびゃく)では、アイヌ民族における天地開闢と国造り神話について説明をする。 以下は、1858年(19世紀中頃・本州の時代区分でいう幕末)の夏に、タツコプ・コタン(現夕張郡栗山町字円山)の83歳になるエカシ=おじいさん(1775年前後の生まれ)が松浦武四郎のために夜通し炉辺で詠ったユーカラを記録したものの現代語訳である。また、東蝦夷地(北海道南部)における伝承であり、西蝦夷地(北海道北部)については語られていない。 天地(空・島)とカムイの始まり[編集] 昔、この世に国も土地もまだ何もない時、ちょうど青海原の中の浮き油のような物ができ、これがやがて火の燃え上がるように、まるで炎が上がるように、立ち昇って空となった。そして後に残った濁ったものが、次第に固まって島(現北海道)となった。島は長い間に大きく固まって島となったのであるが、その内、モヤモヤとした氣が集まって一柱の神(カ