ブックマーク / d.hatena.ne.jp/matsuiism (26)

  • 「沙也可」をめぐって - heuristic ways

    司馬遼太郎『韓(から)のくに紀行』を読んでいて、「あ!」と思ったことがある。 豊臣秀吉の「朝鮮ノ役」=壬辰倭乱(イムジンウェラン)のとき、兵三千人をひきいる日の武将が朝鮮側に降伏し、朝鮮側の将としてその後、武功をたてたということが、『慕夏堂記(モハダンギ)』(正確には『慕夏堂文集』)という朝鮮の古い漢文に記されており、しかもその子孫たちが今も「降倭(こうわ)の村」に残っているというのである。 私が「あ!」と思ったのは、「沙也可」(サイェガ、サヤカ)というその武将の名に、どこか見覚え(聞き覚え?)があるような気がしたからである。司馬氏は、「沙也可とは日名を朝鮮漢字に音(おん)だけうつしたものだが、サヤカなどという日名はちょっとありそうにない」ので、「サエカに似る名なら、たとえばサエモンと考えるとどうだろう」と言っている。「可は筆記する場合に門とよくまちがう」ので、もとは「沙也門」(サイ

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    haruhiwai18 2017/06/29
    "彼のとった敵陣帰参という行動と戦績、その後の高潔無私の人格・献身など*3が敵国出身にもかかわらず朝鮮人から尊崇を受けたことは前例を見ない。" →未だに謎の存在である模様。(とりあえず雑賀説に一票)
  • 古典について - heuristic ways

    この歳になるまで私は、まさか自分から進んで『万葉集』や『平家物語』などの古典に興味をもつことになるとは思いもしなかった。高校時代に学んだ古文は、私にとって、英語よりももっと訳のわからない苦痛をもたらしたトラウマ的な体験であり、憧れや懐かしさなどを感じたことは一度もないからだ。 しかし、振り返ってみると、私は二〇代の頃まで、哲学書や近現代の小説を読んでもよく理解できないことのほうが多く、だからこそかえって、「訳のわからない暗号文を解読したい」という動機に駆られて読書を重ねてきたのではないかと思う。アグネス・スメドレーが子供の頃から「手さぐりのようにして」、「ほとんど一行もわからない」ようなにまで挑戦したというエピソードは、私にはとても共感できる。 最近私がにわかに古典を読みたいと思うようになったのも、その延長かもしれない。 ただ、その伏線として以前から引っかかっていたことがある。小林秀雄が

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    haruhiwai18 2013/01/30
    "無常観をのべる脱俗的な文学のように見えながら、実際は王によりそう、生臭いテクスト""「王権への反逆者が必ず敗北するという論理」を形成" →確か、兵藤裕己『王権と物語』も それっぽい指摘をしている。
  • 重信メイ『「アラブの春」の正体』 - heuristic ways

    チュニジアで大規模なデモやストライキが起き、政府に対する抗議運動が高揚して、ついにベン・アリー大統領の亡命を引き起こし、「ジャスミン革命」と呼ばれる事態に至ったのは2011年1月のことである(正確には前年12月後半から各地にデモが拡大していた)。その衝撃はエジプトなど周辺諸国に飛び火し、こうした一連の民衆蜂起と民主化の動きはやがて「アラブの春」と呼ばれることになる。 当時私は北村透谷や自由民権運動に関するなどを読んでいたが、「自由民権運動」が英語で“Freedom and People’s Rights movement”ということを知り、「(私も詳しい事情は知らないが、報道で知る限り)つい最近チュニジアで起こり、エジプトなどの周辺諸国へ波及しているのは、広い意味での“Freedom and People’s Rights movement”の延長ではないだろうか」と書いたりした(201

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    haruhiwai18 2012/11/11
    "アルジャジーラ…「ところが、リビア報道からスタンスが変わり、一方的にカダフィ政権を攻撃する報道になって」""インターネットは…むしろ、「権力を持った人たちの監視するためのメディア」に" →アラブの晩春。
  • 国土開発計画をめぐって - heuristic ways

    このところいろいろと忙しく、なかなか腰を据えてを読む余裕がないが、少しずつ鎌田慧『六ヶ所村の記録――核燃料サイクル基地の素顔』上・下(岩波現代文庫、2011年、原著1991年)を読み進めている。 とりあえず、1「開発前史」から4「開発幻想」まで読んだところだが、ここまでは1970〜71年頃の取材記事が基になっているらしい。 鎌田氏は1970年3月、「あるちいさな経済雑誌の依頼で、この基地の町で突如としてはじまった開発ブームを取材するため」に、青森県三沢市を訪れる。その前年、69年5月末に閣議決定された「新全総」(新全国総合開発計画)では、「一方、小川原工業港の建設等の総合的な産業基盤の整備により、陸奥湾、小川原湖周辺ならびに八戸、久慈一帯に巨大臨海コンビナートの形成を図る」という二行で、この地域の将来がラフにスケッチされていた。  迂闊なことに、私は先日図書館で鎌田慧・斉藤光政『ルポ 下

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    haruhiwai18 2012/09/13
    "石原慎太郎は、長官に就くや、住民運動への敵意を露わにし…歴代の長官が苦労しながら築いてきた「開かれた環境庁」のイメージを崩壊させ""庁舎前に座り込んだ水俣病患者を警察力で排除" →環境庁オワコン化の背景
  • ドイツの脱原発事情 - heuristic ways

    熊谷徹氏は、『脱原発を決めたドイツの挑戦――再生可能エネルギー大国への道』の「まえがき」で、「ドイツ政府は、福島事故をきっかけに脱原子力計画を加速し、二〇二二年一二月三一日までに原発を全廃することを決めた」が、日のマスメディアは、「原発全廃が、ドイツで進んでいるエネルギー革命の一部にすぎないことについては、ほとんど伝えていない」と言っている。 ドイツのエネルギー革命(Energiewende、エネルギー・ヴェンデ)とは、「二〇五〇年までに発電量の八〇%を再生可能エネルギーでまかなうという、野心的なプロジェクト」のことである。  ドイツではなぜ脱原子力政策の決定が可能だったのか。著者は、「緑の党がこの国に存在しなかったら、脱原子力政策が法制化されることはなかった」、「さらに、一九九八年に緑の党が初めて連立政権の一党として連邦政府に加わった瞬間に、この国で原子力時代が終わる運命が決まった」と

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    haruhiwai18 2012/07/22
    "メルケル""科学アカデミーの理化学研究所で働いていた…このため放射性物質についての知識が豊富で…原子力を安全に使うことは十分可能だと思っていた""が、福島の事故は彼女に強い衝撃を与え" →ドイツの場合。
  • 議会の内と外 - heuristic ways

    柴田三千雄『フランス革命』(岩波現代文庫)は、もともと1989年に発表された『フランス革命』(岩波セミナーブックス)に、補論として「フランス革命と明治変革――比較史の枠組み」(2004年)*1を併せて収録したもので、いろいろ刺激や啓発を受けるだった。私はこれまでマルクスの『フランスにおける階級闘争』や『ルイ・ボナパルトのブリュメール一八日』のようなジャーナリスティックで且つ原理的な洞察に満ちた著作を折りに触れて読み返しては驚嘆と憧れの念を抱いていたのだが、おそらくマルクスはフランス革命の構成要因やプロセスを徹底的に分析し、革命運動の弁証法的な反転や飛躍といった契機に通暁していたのではないか、というようなことを考えた。 主論の『フランス革命』は、1988年に行われた「岩波市民セミナー」を基にした講義風の文章で、それまでのフランス革命史研究の流れを紹介しながら、革命の構成要因やプロセスを素人

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    haruhiwai18 2012/06/06
    "フランス革命史研究の「修正主義」の主張…革命前に貴族とブルジョワが対立していたというのは一種の神話""「生存権」の思想がロベスピエールに由来" →社会権の出現のきっかけにもなった仏革命。
  • 外村大『朝鮮人強制連行』 - heuristic ways

    朝鮮人強制連行 (岩波新書)作者: 外村大出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2012/03/23メディア: 新書購入: 1人 クリック: 1回この商品を含むブログ (4件) を見る  このの帯には、「朝鮮人強制連行の歴史は、“朝鮮人のために日人が覚えておくべき歴史”ではない」という著者の言葉が紹介されている。 このを読むまで私は、戦時中の朝鮮人強制連行について事実関係をよく知らなかったし、自分にとってこの問題が何を意味するのかを考える具体的なとっかかりがないように感じていた。もちろん、私がそのような「人権侵害」を強いた旧宗主国の子孫であるという事実は認識できる。だが、私がいま置かれている状況や自分が抱えている問題との具体的な接点が見えてこなければ、そこにはどうしても切実さが欠けてしまう。たとえば、「戦時中に強制連行されて過酷な労働を強いられた朝鮮人がいる」という風に捉えるだけでは

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    haruhiwai18 2012/04/18
    "準備やノウハウなしに「割当てられた数字を充たすことが至上目的とされ」たために、無理な暴力や強制が行われ""マイノリティに不利な条件を押しつける国家や社会はマジョリティをも抑圧" →病める社会。
  • サン=シモンと「脱政治化」 - heuristic ways

    鹿島茂『怪帝ナポレオン三世』を読むと、フランス第二帝政期(1852〜70年)は、鉄道建設、金融機関やシステムの改革、都市改造、パリ万国博覧会、デパートによる商業革命など、その後の日にも影響を与えたと思われる産業主義的な社会変革の手法が実験・開発された時代だったということがわかる。 ナポレオン三世は基的にサン=シモン主義者であり、「産業皇帝」の異名をとったという。では、サン=シモン主義とは何なのか。 サン=シモンについて私が知っているのは、オーウェンやフーリエと並んで、マルクス=エンゲルスが『共産党宣言』(1848年)の「批判的=空想的社会主義および共産主義」の項で取り上げていたこと、そして、『産業者の教理問答』などの著述を発表していることぐらいだった。 オーウェンやフーリエについては、近年再評価の兆しもあるようだが、サン=シモンについてはどうなのだろうか。  『世界の名著 続8――オウ

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    haruhiwai18 2012/04/18
    "ボナパルティズムは「普通選挙」とともに現われたが その特徴は、国民に「投票する」こと以外の政治的行為をさせないこと" →ポピュリズムの特徴。/"官僚中心の社会主義"の始祖としてのサンシモン主義 http://p.tl/d0mf
  • さまざまな帝国 - heuristic ways

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    haruhiwai18 2012/01/11
    "グロティウス…商業的な利益だけを目的とした…攻撃的な戦争も、正当なものとなりうる…理論を構築""ロックによる「所有権の理論」…インディアンからの土地収奪と植民地建設を正当化" →そして アリストテレスは(ry
  • タブーの境界理論 - heuristic ways

    少し前に石弘之+安田喜憲+湯浅赳男三氏の共著(鼎談)『環境と文明の世界史――人類史20万年の興亡を環境史から学ぶ』(2001年)というを拾い読みしていたら、インド人は紀元前5世紀から突然肉を放棄したとか、イスラムはブタを諦めてヤギとヒツジに頼ったということが話題にされていて、へ〜と思った。その理由は(推測は挙げられているけれども)実はよくわからないのだという。「僕は調査などで世界を廻っていて、肉を放棄した民族と、肉をべる民族は、やはり心のやさしさが違うんじゃないかと思います」(安田氏)とか、「世界がハンバーガーをうようになってから、中南米ではウシを飼うために熱帯林が加速度的に焼かれてしまった」(石氏)といったことも指摘されていて興味深かったが、肉の放棄・断念ということが文明史的な事件であり、思想的(宗教的)な問題でもあるというのが強く印象に残った。 昨日、図書館で人類学のコーナ

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    haruhiwai18 2012/01/04
    "鎌倉時代の新仏教では、僧侶の肉食妻帯も是認""小乗)仏教でも、肉食はなんら罪とも穢れともされていなかった""シャカ自身…生涯肉食を止めなかった" →山内昶先生の本より/マーヴィン・ハリスへのツッコミ含む
  • 荒畑寒村『谷中村滅亡史』など - heuristic ways

    G.K.チェスタートンのブラウン神父シリーズのある有名作品(1911年発表)に、「木を隠すなら森の中へ」云々という有名な言葉がある。正確には、次のようなセリフらしい(某サイトより引用)。「賢い人は葉をどこへ隠す? 森の中だ。森がない時は、自分で森を作る。一枚の枯れ葉を隠したいと願う者は、枯れ葉の林をこしらえあげるだろう。死体を隠したいと思う者は、死体の山をこしらえてそれを隠すだろう」  足尾銅山の経営者はまず、「銅山の廃棄物(捨石)を隠すには川の中へ」と考え、それを実行したわけだが、川に大洪水が起きると、そのためにかえって近隣の地域と住民に鉱毒の被害が拡大してしまった。では、鉱毒の被害を隠すためには? 荒畑寒村『谷中村滅亡史』を読むと、奇想天外なまでに大掛かりで、ポウの「盗まれた手紙」の大臣を思わせるほどに大胆不敵な犯行の手口(トリック)が、フィクションではなく、現実に組織的に実行されたと

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    haruhiwai18 2011/12/11
    "窃盗のごときは児戯にしか過ぎません。諸君が谷中村で見られたように、国家の権力者による掠奪――これが白昼公然と官憲の手を借りて行われる。法律の名に於て、はたまた国家の名に於て" →国家の私物化の極み orz
  • 「平等への意志」と「暗い情念」 - heuristic ways

    昨日、図書館で借りてきた市野川容孝『社会 the social』(岩波書店、2006年)というをパラパラとめくっていたら、こんな一節があって、ハッとさせられた。 社会的なものの概念を支える平等/不平等というコードは、この「比較」に属する。このコードは、私にも所有されるべきものが、あなただけのものになっている、あなたにも所有されるべきものが、私だけのものになっているという占有を批判的にとらえなおさせるが、同時に人は、このコードとともに、他人から「侮辱」を感得し、他人に「憎悪」や「復讐」を向け始める。さらに「嫉妬」や「羨望」が、ここに加わるだろう。平等への意志が、嫉妬、羨望、憎悪、復讐という暗い情念を誘発しかねないということ。自由を論じながら、ルソーが問題にしているのは、実はそういうことなのだ。(p121) これはそのまま、今日の「格差社会」において尖鋭化しつつある問題ではないか。というより

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    haruhiwai18 2011/07/31
    "ルソーと同様、ニーチェにおいても「自由」とは…他人と自分の比較…によって初めて意味をなす平等…と、これに定位した社会的なものそれ自体からの自由" →自分と他人を比較してしまう、人間の性との戦い
  • 市民権と武装権 - heuristic ways

    私が最初に読んだ小熊英二氏の著書は、『市民と武装――アメリカ合衆国における戦争と銃規制』(2004年)だった。これは、「市民と武装――アメリカ合衆国における「武装権」試論」と「普遍という名のナショナリズム――アメリカ合衆国の文化多元主義と国家統合」の二の論文を収めたもので、前者はもともと1994年に発表されている(後者は1992年に執筆したが、未発表だったとのこと)。 最初に読んだときは「アメリカの銃規制問題」の歴史的背景を考察したものというぐらいの印象しか持たなかったが、今回再読してみて、氏の問題意識はむしろ、市民権の問題を「武装権」の歴史から捉えるというところにあることがわかってきた。 一七世紀イギリスの思想家ハリントンによれば、土地が君主や貴族によって独占されていた時代は傭兵や貴族が軍の主力となるが、共和制では土地を所有して自立した市民は自らの財産を守るため武装しており、こうした人

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    haruhiwai18 2011/07/19
    小熊先生「国家権力の治安能力に身を委ねるしかないとき、“武器”を持たずしかも自立した市民とはいかに構想しうるのか」 全国グータラ連合会「私と一緒に、ゼネストとかサボタージュをすればいい。さあ怠けよう」
  • 教育と戦闘力 - heuristic ways

    小熊英二氏は、「いま歴史教育に何が求められているか――可能性としての日」(一九九九年、『私たちはいまどこにいるのか』所収)という文章の中で、身分制社会(江戸時代)の教育と明治以降の近代教育の違いについて、実に興味深いことを言っている。 たとえば江戸時代には「寺子屋というものがあり、藩には藩校というものがあり、読み書きそろ盤を教えたといわれている」が、これはわれわれが馴染んでいるような小学校とは全然違う。そもそも「社会のつくり方の前提」が違っているので、農民、武士、商人といった身分に生まれた者は、将来それぞれ農民、武士、商人になることが決まっている。だからそれぞれの身分によって、学ぶこと、習うことが違う。たとえばそろ盤を教えているのは、「主に都市部の商人の子どもを相手にした学校」が中心になっている。また、読み書きといっても、主に「手紙の書き方」を教えていることが多い。これは、「主に農民のな

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    haruhiwai18 2011/07/19
    "文学部は…まず国史編纂""英文学科とか独文学科…翻訳家の養成のため" →現今の文学部がオワコンになっていく理由も分かりますw/もし本論旨が正しいなら、http://p.tl/4nKqと考えると、この国の"支配者"はマヌケですw
  • 高木仁三郎『原子力神話からの解放』 - heuristic ways

    数日前、書店に行ったとき、二冊の文庫を買った。高木仁三郎『原子力神話からの解放――日を滅ぼす九つの呪縛』(講談社+α文庫、20011年、原著2000年)と堀江邦夫『原発労働記』(講談社文庫、2011年、原著1979年)で、どちらも旧著の復刊である。 とりあえず高木仁三郎氏のから読んでみたが、私のような素人にもわかりやすく、ほとんど違和感なく読めた。原発に対する理論的且つ実証的な批判は、すでに十年以上前の時点で可能であり、喫緊の課題として提起されていたのである。 書の目次を以下に掲げる。 文庫版まえがき 的中した原発事故の予言   西尾漠 プロローグ――原子力の歴史の総括として 第1章 原子力発電の質と困難さ第2章 「原子力は無限のエネルギー源」という神話第3章 「原子力は石油危機を克服する」という神話第4章 「原子力の平和利用」という神話第5章 「原子力は安全」という神話第6章

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    haruhiwai18 2011/06/25
    "原子力依存型へと進んでしまったというのは、むしろ政策の結果であって、原子力の優秀さのゆえではありません" →高木仁三郎先生。/全ての問題は、高木先生がとっくに言ってたことだったんだよ orz
  • 松下竜一氏の反開発・反原発思想 - heuristic ways

    先日図書館で、松下竜一・未刊行著作集5『平和・反原発の方向』(2009年)というを見つけた。 松下竜一氏のは、以前『狼煙を見よ――東アジア反日武装戦線“狼”部隊』(1987年)や『怒りていう、逃亡には非ず――日赤軍コマンド泉水博の流転』(1993年)を読んだことがあり、古屋で『暗闇の思想を』(現代教養文庫)というも買っていた(未読だが)。 Wikipediaを見ると、松下竜一氏(1937−2004)は、もともと大分県で豆腐屋をしていた人で、「朝日新聞の短歌欄に投稿し、歌集『豆腐屋の四季』を自家出版」。これが評判を呼び、「翌年1969年4月に公刊、ドラマ化もされた」らしい。その後、豆腐屋をやめて、「反公害・反開発運動」に自ら関わりつつ、数々のノンフィクション作品を発表してきたとのこと。 私は氏の著作や活動のごく一部しか知らないが、基的には生活者・地域住民の立場から、地域の環境や人

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    haruhiwai18 2011/06/25
    "原発は火力発電に取って代わるようにして推進されながら、実は万が一の担保として既存の火力や水力を代替エネルギーとして必要としているということになる" →推進派は、火力・水力に依存しない原発作れよ(怒)
  • 和田春樹『日本と朝鮮の一〇〇年史』 - heuristic ways

    先日、書店の新刊コーナーで、和田春樹『日と朝鮮の一〇〇年史』(平凡社新書、2010年)というを見つけ、目次を見ると「三・一独立宣言」のことも書いているようなので購入し、早速読んでみた。 和田春樹氏のは、以前、『北朝鮮――遊撃隊国家の現在』(1998年)を図書館で借りて読んだことがある。他にも『朝鮮戦争全史』や『日露戦争』上・下などの著書があり、いずれ読んでみたいと思う。和田氏はもともとロシア史の専門家だったが、一九七〇年代の半ばから「韓国の民主化運動と連帯する市民運動家として」韓国語を独習し、自分が読みたい論文を翻訳したりを編集するようになり、八〇年代以降、北朝鮮のことを研究するようになったとのことである。 書の目次は以下の通り。近代以降の日と朝鮮(韓国)の関係の大まかな流れがわかるだけでなく、われわれが見落としがちな盲点、あるいは、見ようとすらしてこなかった「他者の経験」に光

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    haruhiwai18 2011/02/18
    "「三・一独立宣言」の内容は日本ではずっと伝えられないまま…広く知られるようになったのは、なんと一九七〇年代はじめ” →この宣言が、各宗教の関係者たちの合意によって出来たことに、考えさせられる。
  • 自由民、フリーター、テクスト - heuristic ways

    ネットの翻訳サイトで「自由民権」を英語に翻訳すると、“Freedman right”という訳が出てきたりする。“freedman”とは、「(奴隷の身分から解放された)自由民」のことである。「自由民・権」=「自由民の権利」と訳したわけだ。 「自由民」ということからの連想で思い出したのだが、私はこのブログを始めた頃から(2005年〜)しばらくの間、フリーターの問題にずっとこだわっていた。年齢的にはすでに行政用語でいう「フリーター」(15〜34歳)ではなくなっていたものの、雇用形態としては今も「アルバイト」(週5日の常勤)だし、フリーター当事者であるという自己意識はずっとある。 ただ、私の場合、別に正社員になりたいわけではないし、特に不当な待遇や差別を受けているとも思わない。労働形態としては、今の仕事がわりと性に合っているし、何より、「労働が主体的であるのは、まさにそれが私の人格とはなんの関係も

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    haruhiwai18 2011/02/04
    "国家機能の変容の中で、従来積み上げられた社会的「自明性」が…急激に失なわれ" →「みなさんは、公的教育の重要性を、自動車会社の広告のように、ちゃんと宣伝してますか?」という一言から再考したいhttp://p.tl/wWHq
  • 「自由」と「仁政」 - heuristic ways

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    haruhiwai18 2011/02/04
    "伝統的な…民衆的な「自由な生存権」と、近代的な「競争原理に立つ…契約の自由」。「自由」の問題を考えるとき、「誰の自由か」を問わねばならないのは、今日でも…同じ" →手段としての自由と目的としての自由。
  • 本当は怖ろしい帝舜の神話 - heuristic ways

    最近は新聞の報道などでも、子どもが親を殺そうとしたり、親が子どもを虐待して死に至らしめてしまうといった陰惨な事件に接することが多いが、「堯舜(ぎょうしゅん)の世」で知られる古代中国の伝説上の聖王の一人・帝舜の生い立ちを知ると、舜(しゅん)が実に怖ろしい家庭の惨劇を辛くも生き延びた「サバイバー」だったことがわかる。 舜の父は瞽叟(こそう)といい、盲目だった。舜の母は早くに亡くなり、父は再婚した。やがて腹違いの弟象(しょう)が生まれる。象は性悪(しょうわる)だったが、瞽叟はこの子が可愛くてならない。ついには舜を邪魔にし、殺してしまおうとして、機会をうかがうようになった。だが、舜は慎重だった。危険には近づかずに身をかわしたし、ちょっとしたミスを咎(とが)められたときには、甘んじて罰を受けた。そして、父にも継母にも弟にも、誠心誠意つくして、すこしも怠(おこた)るところがなかった。 (中略)父は偏屈

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    haruhiwai18 2011/01/24
    "舜の「赦し」が怖ろしいのは、自分がかつて息子を殺そうとした父親であるということの罪と恥を、一生背負い続けながら生きてゆかねばならないという痛切な自覚を、瞽叟…に突きつけるから" →こんな身内(舜)は嫌だw