原作の小説を読んだ後で映画版を見て納得が行くことは、正直あまり多くない。 小説が特に気に入っている時は尚更だ。 このカポーティの「草の竪琴」の映画版は、原作が大好きで恐る恐る見てみたところ、珍しくなかなか気に入った作品。 登場人物の描かれ方が丁寧で、原作のコミカルな感じも忠実に受け継いでいる。 原作から変えられている部分もあり、原作よりも感傷が過ぎる感もあるけれど、「古き良きアメリカ」の情景がとてもいい。 主人公エドワード・ファーロングの演技が繊細でコリンにぴったりだった。 ただ、ネットでこの映画の感想として、 「自身が美男子だと信じていたカポーティは、自分がモデルであるコリンが美少年に演じられたことに、天国で満足していることだろう」 というのがあって吹き出した。 良かったね、カポーティ!