自分を植物にたとえると何か、という他愛ない問いかけが話題に上ったのは会社の課員で飲みにきている居酒屋の席でのことだった。もとは社内報の裏表紙で新入社員に投げかけられていたものだった。 ご存知のように弊社は造園会社である。 すぐに答えが出るのかと思えば、ひとりは何かの暗示を探すように小皿に置いた割り箸を丹念に見つめ、ひとりは何杯目か分からない麦焼酎の水割りをグイッとやり、私はといえばグラスを持ちあげて輪になった水を手拭きでぬぐっていた。妙な沈黙が降りた。 ようは謎かけのようなもので植物の名前を宣言してしまったら共通点をこじつければいいだけなのに、なにか、これだ、と断言できない。 「自分を植物に例えるのは、ちょっと…おこがましくて…」 と、先輩が言い放った途端、「それだ…」「たしかに…」「恐れ多い…」「憧れの植物なら言えるけど…」と賛同の声が相次いだ。 結論としては、生命体として植物は人類より