今年26歳になった私は、ようやく〈何もしない〉ことを真剣に考えるようになった。昔から子供はいらない、と公言していた私は、その代わりに修士号を取得し、キャリアを追求してきた。それらの道は、私に与えられた唯一の選択肢だと思っていた。しかしあるとき、私の人生って今のままでも全然悪くないじゃん、と気づいた。充分なお金を稼ぐために仕事をして、好きなひとたちと遊んで、たまに休暇で旅行する…。私はそんな私の人生が好きだ。そして私は、生まれて初めて、大きな目標に向かって頑張ることをやめた。 ただ、罪悪感はある。ひたすら成功を求め、修士に進むために週60時間バーテンダーのバイトをしてお金を貯めた、やる気に満ちあふれた十代の私だけではなく、〈#hustling(金稼ぎ)〉〈#girlbosses(女経営者)〉と書かれた偽フェミニストマグカップが量産される今の時代に生きる私たちの世代をも裏切っているような気分だ