『地球の裏のマヨネーズ』(椎名誠著・文春文庫)より。 【これまで世界のいろんな国のいろんな機種に何気なく乗ってきたが、ぼくは落ちたらそれで終わり、まあしょうがないのだろうな、といつも思っているので、飛行機に乗って怖い、という思いをしたことはあまりない。しかしそれでもロシアのツボレフとかアントノフなどの機種のいかにもこれは物凄く古いぞ、というのがわかるような飛行機に乗る時はその覚悟の度合いを強めたりする。 ロシアの国内路線ではセーフティベルトがちぎれていて締めることができない、という飛行機に乗ったことがあるし、中国では空港に着陸したとき、滑走路から吹き上がってくるもうもうとした土埃がキャビンの中に入りこんできたのを体験したことがある。国際便であったし、高度1万メートルぐらいのところを飛ぶ飛行機というのは構造的に完全気密である筈だからこの時は驚いたが、取り敢えず無事着陸しているので、まあそれ以