コンピュータに「面白い小説」は書けるか? 「機械派」作家と「魂派」作家が白熱討論! 人間はいったい何に感動しているのだろう コンピューターのプログラムを使って「面白い小説」を生み出そうという試みがあります。過去のベストセラーをもとに感動の仕組みなどを解き明かせば、人気作品が効率よく出来上がるはずだというものです。果たして小説執筆の機械化は可能なのでしょうか? 取り組みを進める作家・今村友紀さんと、小説には「魂」が必要だという作家・海猫沢めろんさんが徹底討論しました。(*東京新聞夕刊文化面6月2日掲載の記事のロングバージョンです。構成・中村陽子) 売れる小説には、何かしらのパターンがあるはずだ 今村 まず小説解析を始めた理由から話しましょう。私は小説家デビューして4年。何作か本を出しましたがあまり売れず、読者に届いたという達成感もなかった。宣伝をきちんとやらなかったとかいったことは置いておい