中原淳(東京大学准教授)のブログです。経営学習論、人的資源開発論。「大人の学びを科学する」をテーマに、「企業・組織における人の学習・成長・コミュニケーション」を研究しています。 「学ぶこと」とは、自分につながる人々との関係を「壊すこと」でもあり、「葛藤を抱えること」でもあります。 「学ぶこと」を「みんな仲良しハッピーハッピーのような社会状況」の中で起こるものと捉えたりすると、「学ぶこと」の本質を、ひとつ見逃してしまうのではないでしょうか。 最近、僕は、このことが気になって仕方がありません。 --- たとえば、メンタリング。 これはピアツーピア(上司 - 部下 / 先輩 - 部下)といった社会関係の中で営まれる「学び」の形態とも読みとることもできるかと思います。そして、これにも、「葛藤」が含まれます。 キャシー=クラムによると、メンタリングの進展とは下記のようなプロセスをとります。 ●開始段