戸籍という「個人情報の塊」が職員たちの好奇の目にさらされていた。大阪市の戸籍事務担当の職員2人が情報システムに不正にアクセスし、橋下徹前市長や著名人らの戸籍を「興味本位」でのぞき見していたという不祥事が2月、明らかになった。不正は長期間見過ごされてきたが、橋下氏の周辺で起きた「異変」がきっかけで暴かれた。大阪市に本籍がある戸籍は約116万7千件に上るが、今回明らかになった職員の低いモラルは個人情報の流出、犯罪誘発のリスクをはらんでいる。今のところ情報流出は確認されていないが、薄氷の管理体制に背筋が凍る。 ■「週刊誌記者がうろうろしている」 平成23年3月11日。東日本大震災が起きる約15分前、大正区役所の2階で戸籍事務担当の男性職員(30)は年季の入った事務机に座り、戸籍情報システムにアクセスできる端末のキーボードを手慣れた手つきでたたいた。 《橋下徹》。地域政党「大阪維新の会」を率い、統