新型コロナウイルスの感染拡大により、およそ2カ月半遅れで中国の全国人民代表大会(全人代)が北京で始まった。 極めて残念なのは、全人代が新型ウイルス対応に成功を収めたとする習近平政権の宣伝(プロパガンダ)と、軍事力の増強や香港の人々への圧力を公然と示す場になったということだ。 李克強首相は活動報告で「感染症対策は大きな戦略的成果を収めている」と胸を張った。「国際協力を積極的に展開し、感染症情報を適時開示した」とも語った。 ≪成長率の目標を示せず≫ だが、事実とかけ離れている。新型ウイルスは中国・武漢から広がった。発生当初に感染情報を習政権が隠蔽(いんぺい)したため、パンデミック(世界的大流行)になったのではないかと指摘されている。全人代で自画自賛しても、むなしいばかりではないか。 世界では感染者と死者が増え続け、パンデミック収束の見通しはついていない。中国でも吉林省などで感染の再度の広がりが
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