自民、公明、民主3党が通常国会中の実現で合意していた衆院の定数削減の議論が進まない。野田佳彦前首相が先の衆院解散・総選挙に踏み切る条件とした案件だが、自民党の石破茂幹事長は12日の記者会見で「各党の利害が錯綜(さくそう)するので、限られた時間では困難だ」と述べ、白旗を上げた。野党側は「公党間の約束をほごにするものだ」(民主党の細野豪志幹事長)と反発を強めている。 「(自民党の)石破茂幹事長を中心に取りまとめていく」。安倍晋三首相は12日の衆院予算委員会で、通常国会での関連法改正を求めた後藤祐一氏(民主)の質問に、こう述べたが、その石破氏は同日の記者会見で、今国会での関連法改正は難しいと表明した。 理由は自民、公明両党の意見の隔たりだ。自民党内では現行制度を維持した上で、比例の定数削減を求める声が根強い。ところが、公明党は先の衆院選で獲得した31議席のうち比例が22議席を占め、比例の削減