■バイコヌール宇宙基地の廃墟 / ラルフ・ミレーブズ バイコヌール宇宙基地はカザフスタンに存在するロシア連邦宇宙局の管理するロケット発射場である。その広大な敷地の片隅に、半ば廃墟と化したロケット格納庫と関連施設が佇んでいる。そこには、冷戦時代のソビエト連邦が開発し、建造されたスペースシャトル・タイプの有翼往復宇宙船と打ち上げロケットとが、朽ち果てながら眠っているのだという。ロシア在住のラルフ・ミレーブズが著した『バイコヌール宇宙基地の廃墟』は、その宇宙計画の残骸を、多数の写真により構成したルポルタージュである。 有翼往復宇宙船計画とその宇宙船の名前は「ブラン」。1974年から1993年にかけて計画は推進され、1988年に打ち上げられた最初の「ブラン」は4時間足らずで地球を2周し、バイコヌール宇宙基地に帰還したという。最初の打ち上げによる「ブラン」は遠隔操作による無人飛行であったが、これは米
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