蓮實重彦の『知性のために』(岩波書店)は、この東大総長のほうぼうでのスピーチを集めた本。東大の入学式や卒業式での式辞のたぐいがいろいろおさめられてる。 ……式辞、だって? これが? だってさ、長いの、これが。ぼくが音読しても 1 ページ 1 分。あのもっさりした蓮實の口調でならその 5 割増しだろう。それが東大入学式の式辞だと 30 ページ強ってことは、つまり一時間近く!?! しかも、あの蓮實の長くてまわりくどい文章が、ほとんどそのままページにのたくっている! いや、多少はすっきりしてるかな。それにしても人間がふつうに口にすることばじゃないし、聴く側の頭のバッファはまちがいなくオーバーフローするはず。それが最初から最後までずうっっっっと続いてる。武道館で聞かされた人たち(ほとんどが高校出たての新入生!)には拷問だったんじゃない? というわけで杉岡さんに七尾さん(と急に話をふる)、まさにこの