2011/3/3011:39 東京電力福島第一原発の何が問題だったのか ―― その行政手続きを考える 橋本努 東京電力福島第一原発の事故の真相は、まだ十分に明らかになっていない。おそらく、これから少しずつ事実が明かされ、またその過程で、責任の所在も明確になっていくだろう。この問題との関連で、『週刊文春』の最新号(3月31日号)は、佐藤栄佐久(前福島県知事)氏のある証言を載せている。それによると、東京電力は、福島県の副知事を脅かしたことがある、というのである。 2002年、福島県が「核燃料税引き上げに関する条例の改定案」を公表すると、東電の常務から福島県の副知事のもとに、このような電話があったという。 背後にあるストーリーは、こうである。国および電力会社は、原子力発電所の設置や安全管理をめぐって、受け入れ先となる地方の合意を得て、原発政策を進めなければならない。原発に対して批判的な知事がいる