静岡市清水区三保の造船会社「カナサシ重工」(片上久志社長、従業員約150人)が、入社式前日の3月31日に新卒者19人の採用の内定を取り消していたことが分かった。同社は経営悪化で今月1日から操業を停止した。業務部は「内定を決めた時点で、ここまでの経営悪化は想定していなかった。会社が存続できない場合、迷惑がかかる」とコメントしている。静岡労働局は取り消しの経緯に法的な問題がなかったか調査する方針。 同社によると、採用内定を取り消したのは昨年6〜9月に内定していた大学卒業者7人と高校卒業者12人。3月31日にメーンの金融機関から新規融資を断られたため、操業停止を決めるとともに、急きょ電話で内定取り消しを伝えた。1日には担当者が直接会って事情を説明したという。 職業安定法は、企業が年度内に10人以上の採用内定を取り消したり、内定取り消し者の就職あっせん支援が不十分だった場合などには事業所名を公