音楽プロデューサーとして栄耀栄華を極めた過去はもう遠い昔。楽曲制作と妻の介護に明け暮れるなか、新たな悲劇が彼を襲う。曰く、「人生最大の崖っぷち」に立つ54歳は、言葉を選びながら、自らの病について語り始めた―。撮影/吉場正和 頂点から絶望の淵へ―。 '11 年10月、妻・桂子が、くも膜下出血で倒れたその1年後、追い討ちをかけるように、自分の身体が病魔に冒されていることを知る。運命とはかくも残酷なものなのか。小室哲哉(54)は、ときおり目に光るものを浮かべながら、静かに語り始めた。 「C型肝炎だとわかったのは、妻の桂子(globeのボーカルKEIKO)のおかげかもしれません。彼女が倒れたあの日をきっかけに、僕も血液検査や尿検査を受けるようになり、昨年の9月、肝機能の数値の異常に気づいたのです。主治医の先生には『専門の先生に診てもらったほうがいい』とアドバイスをいただきました。 肝臓の病気は自覚