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2022年6月5日のブックマーク (4件)

  • <書評>『さよなら、野口健』小林元喜 著:東京新聞 TOKYO Web

    読み終わった後「痛い」と思う作品がある。小説でもノンフィクションでも、心が揺さぶられ感情が噴き上がるだけでなく、体に痛みが残るのだ。例えば、石原慎太郎の『太陽の季節』やW・バロウズの『裸のランチ』、西村賢太の『苦役列車』には、顔を歪(ゆが)め、胸にはずんと重いダメージが残った。 書は、読み手の内面にまで影響を与える「痛み」をはらんでいる。文章は荒削りでその構成も時に乱暴だ。だが、読者は章を追うごとに、生きることに必死で情熱のまま突き進む“傍若無人”な著者の虜(とりこ)になっていく。 この作品に登場する二人の主人公は、一般的日人の価値観から大きくズレたアウトサイダーである。一人は、一九九九年に七大陸最高峰への登頂を世界最年少(当時)で達成したのち、環境活動家として富士山やエベレストの清掃活動を行う登山家の野口健。もう一人は、野口のマネージャーであった著者。 二〇〇三年からの十八年間のうち

    <書評>『さよなら、野口健』小林元喜 著:東京新聞 TOKYO Web
    hharunaga
    hharunaga 2022/06/05
    「野口のマネージャーであった著者。…メディアで見せる朗らかな顔とは違う陰険さ、政治への執着心など、野口を丸裸にする行為に容赦はない。しかし、…著者は自分を曝け出すことにも躊躇がない」。評:小松成美。
  • 「顔で選んで」発言で厳重注意の維新・石井章参院議員 「顔の話すればたたかれる」「とんでもない新聞屋にちょんぎられた」:東京新聞 TOKYO Web

     日維新の会の石井章参院議員は5日、茨城県牛久市の街頭演説で、参院選茨城選挙区に同党から出馬を予定する新人女性を紹介する際に「あまり顔のことを言うとたたかれるから言えない」と述べた。石井氏は先月、栃木県日光市で開かれた別の女性候補の事務所開きで「顔で選んでくれれば1番を取る」と容姿に関する発言をし、厳重注意を受けていた。 石井氏は牛久市の演説で、新人女性に関し「見た通りの人で、顔だけみると」と言いかけた後、「あまり顔のことを言うとたたかれるから言えない」と続けた。日光市での発言を報じた新聞社名を名指しした上で「とんでもない新聞屋にちょんぎられた」とも指摘した。

    「顔で選んで」発言で厳重注意の維新・石井章参院議員 「顔の話すればたたかれる」「とんでもない新聞屋にちょんぎられた」:東京新聞 TOKYO Web
    hharunaga
    hharunaga 2022/06/05
    “石井氏(維新の会)は演説後、発言の真意を問う共同通信の取材に「真意なんてない。全部撤回して終わったことだ」と述べた”
  • <書く人>観る将 めっちゃおもろい 『すごすぎる将棋の世界』 お笑い芸人・高橋茂雄さん(サバンナ)(46):東京新聞 TOKYO Web

    テレビのバラエティー番組に不可欠な存在としての地位を築き、子ども向け番組で声優を務めるなど多方面で活躍するお笑い芸人が初めて発表したのテーマは「将棋」。ただし上達法やルールは一切書いていない。観戦を楽しむ「観(み)る将」になるためのガイドブックだ。 もともと「将棋のルールは知っている」程度だった。藤井聡太五冠(19)=竜王・王位・叡王・王将・棋聖、愛知県瀬戸市=が初めてタイトルを獲得した二〇二〇年、インターネットで検索したのをきっかけに、のめり込んだ。「将棋って、めっちゃおもろいやん」 自身の棋力は、今も初級者。だが、棋士たちの過去の真剣勝負の数々を熱く語る。渡辺明二冠(38)=名人・棋王=が〇勝三敗から四連勝で大逆転した二〇〇八年の竜王戦七番勝負、プロ棋士が人工知能(AI)と死闘を繰り広げた「電王戦」−。 近年のインターネットやテレビの対局中継は、AIの評価値が画面上に表示され、形勢や

    <書く人>観る将 めっちゃおもろい 『すごすぎる将棋の世界』 お笑い芸人・高橋茂雄さん(サバンナ)(46):東京新聞 TOKYO Web
    hharunaga
    hharunaga 2022/06/05
    “「うまくなりたいとは、全く思わない」。将棋を知らない人に面白さを伝えるには、今のままの棋力のほうがいいのだと断言する”。マイナビ出版。
  • <書評>『橋川文三とその浪曼』杉田俊介 著:東京新聞 TOKYO Web

    「異様な、半ば病的な悪戦苦闘を続けた」と著者は、生誕百年を迎えた「文人学者」橋川文三の生涯を要約している。橋川にラブコールを送り続けた三島由紀夫は、「貴兄の文体の冴(さ)えや頭脳の犀利(さいり)には、どこか、悪魔的なものがある」とかつて評した。 『橋川文三とその浪曼』は、大正十一(一九二二)年生まれの「戦中派」で、近代日の精神史に最も肉薄した、この異貌(いぼう)の思想史家の肖像を、四つの「対決」を通して描いた大著だ。「対決」の相手は保田與重郎、丸山眞男、柳田国男、三島由紀夫とヘビー級の巨人ばかりで、相手に不足はない。『日浪曼派批判序説』でデビューする橋川が、三島の死に遭遇するまでの思想的「対決」の遍歴が書のテーマである。 なかでは、大恩人であり「師」でもあった丸山の日ファシズム論を批判する第二章と、生涯に一度も会うことはなかったが、世代的に共感し、相互に影響を与え合った三島の美的革

    <書評>『橋川文三とその浪曼』杉田俊介 著:東京新聞 TOKYO Web
    hharunaga
    hharunaga 2022/06/05
    “異貌の思想史家の肖像を、四つの「対決」を通して描いた大著だ。「対決」の相手は保田與重郎、丸山眞男、柳田国男、三島由紀夫とヘビー級の巨人ばかりで、相手に不足はない”。評:平山周吉。河出書房新社。