西鶴以降も次々とベストセラー本が出た。町民の多くはそれを貸本で読んだ。 洒落本と言われた山東京伝(さんとう・きょうでん)の仕懸文庫、滑稽本といわれた十返舎一九の東海道中膝栗毛、読本の代表作である滝沢馬琴の南総里見八犬伝などが元禄そして化政期に続々と刊行される。 しかしベストセラーは庶民が文字が読めてこそ成立する。今回は江戸時代の高い識字率について調べてみた。 寺子屋の始まり 江戸幕府はキリシタン禁制を徹底するため、天領・諸侯領の区別無くその領民に対して宗門改めを行いその有効な方法として寺請(てらうけ)制度を確立した。これによってすべての住民は「檀家」として「檀那寺」に世襲的に帰属することを強制された。 宗門人別帳には戸主の名・年齢、妻の実家・結婚年月日、子の生年月日等が記されて檀那寺から宗門改役人に提出された。 寺は今の市町村役場の住民課にあたり、戸籍・住民票・諸証明書を管理・発行する。寺