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ブックマーク / blog.tatsuru.com (14)

  • 農政について - 内田樹の研究室

    JAの雑誌に農政について書いた。これもふつうの方はあまり手に取る機会のない媒体なので、ここに採録しておく。 糧安保とグローバルビジネス 現在の日の状況をおおづかみに表現すれば、「過経済化」という言葉で形容することができる。 すべての政策や制度の適否が「収益」や「効率」や「費用対効果」という経済用語で論じられている事態のことである。 経済を語るための語彙を経済以外の事象、例えば政治教育や医療のありかたについて用いるのは、用語の「過剰適用」である。 むろん、ある領域の術語やロジックがそれを適用すべきでない分野にまで過剰適用されることは、歴史的には珍しいことではない。過去には宗教の用語がそれを適用すべきではない分野(例えば外交や軍事)に適用されたことがあった(十字軍がそうだ)。政治の用語がそれを適用すべきではない分野(例えば文学)に適用されたことがあった(プロレタリア文学論というのがそうだ

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    high-d 2013/12/30
    “他は何をしてもいいから、農業と医療と教育についてだけは何も言わないで欲しい。”
  • 「公募校長」の資質について - 内田樹の研究室

    昨日に続いて大阪教育の話。 もうこんな話はしたくないのだが、毎日ひとこと言わざるを得ない話が新聞に掲載されるのだからしかたがない。 まずは毎日新聞の記事から。 大阪市の公募で就任した民間出身の校長の不祥事が相次いでいる問題で、市教委は19日、新たに3人の民間出身校長にセクハラやパワハラの疑いがあることを明らかにした。市教委は事実関係を調べ、処分を含めて検討する。 市教委や学校関係者によると、西成区の中学校長(59)は今年4〜5月に個人面談した6人の女性教職員に、「結婚せえへんの?」「なんで子供作らへんのか」などと質問。教職員の指摘を受け、校長は6月の職員会議で謝罪した。 生野区の中学校長(37)は地域との連絡を巡って教頭と口論になり、「間違っていたら謝罪すべきだ」と問い詰め、教頭は土下座して謝った。教頭は「パワハラまがいだった」と市教委に話している。6月には修学旅行で川下りをした際、ふざ

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    high-d 2013/09/21
    斜陽。たぶん,制度の欠陥や,「公」か「民」の問題なのではなく,橋下閣下と維新の会が主導していることが原因だと思うよ。
  • 府教育長の通達について - 内田樹の研究室

    大阪でまた教育現場に「どんより」と暗雲が漂っている。 知らないうちにいつのまにか府教育長になっていた府立和泉高校の「口元校長」が「口元通達」を今度は府立学校全てに発令したのである。 まずは新聞記事から。 「大阪府教委が、入学式や卒業式で教職員が実際に君が代を起立斉唱しているか、管理職が目視で確認し、結果を報告するよう求める通知文を府立学校に出していたことが18日分かった。中原徹府教育長は府立高の校長時代、君が代斉唱時に教職員の口元の動きをチェックし、論議を呼んだ。今回も同様に口元を確認し、徹底を図る方針で、再び議論が起きる可能性がある。 通知は9月4日付。全ての府立高校138校に出され、支援学校全31校にも出す方針。秋入学・秋卒業を取り入れている一部学校で、9月に開かれる卒業式に間に合わせた。 通知文では、「公務に対する府民の信頼を維持する」ことを目的とし、入学式や卒業式での君が代斉唱の際

    high-d
    high-d 2013/09/20
    斜陽。内田先生,よくぞ言ってくださいました。ありがとう。静かに激怒している内田先生は久しぶりだなあ。
  • 人々が「立ち去る」職場について - 内田樹の研究室

    大阪府教委は23日、来春採用の府内の公立学校教員採用試験で、平均倍率が4倍で史上2番目の低さだったと発表した。 中学理科では倍率が2倍を切り、府教委は「水準に達する人材が確保できなかった」と異例の追加募集を行う。 大阪維新の会の主導で厳しい教員評価などが盛り込まれた条例の施行後、初の採用試験。大阪府では橋下前知事時代から給与カットが続き、小中学校教員の平均基給が全国平均より月約2万8千円低いことも響いた可能性がある。(朝日新聞、10月24日) 記事によると、中学理科の倍率は大阪が1.9倍、京都は3.85倍、兵庫は3.1倍。東京は(中高共通枠なので単純に比較はできないが)5.44倍。 条例施行によって、大阪府の教員応募者が激減することは当然予測されていたはずである。 絶えざる査定と格付け圧力にさらされ、保護者からのクレームに対して行政は原則として「保護者の側に立つ」と公言している就業環境で

    high-d
    high-d 2012/10/24
    大阪市の教員だけど,自分は「やりたいことを寝食を忘れてやる」オーバーアチーブタイプ。別に給料あげてくれとは思わないから,好きにさせてくれ。縛られるのが一番かなわん。
  • 分配ゲームの先行きについて - 内田樹の研究室

    自民党の総裁選が迫り、維新の会の国政進出のための「品定め」が始まったために、政界の「右顧左眄」劇が進行している。 プレイヤーたちの全員が「バスに乗り遅れない」タイミング、「ババをつかまされない」タイミングをみはからって、他のプレイヤーの出方をきょろきょろ見守っている。 私たちは今「他人を出し抜くゲーム」に立ち会っている。 もちろんキープレイヤーは大阪維新の会である。 「みんなの党」は当初維新の会との新自由主義的な政策的な近さを強調し、国政での連携を期待していた。 だが、ご存じの通り、政策が近すぎたせいで、党員たちが「どうせ選挙に出るなら、当選できそうな政党から」と「合理的」に判断したせいで、解党的な危機に直面している。 渡辺喜美代表は昨日「維新も最近は自民党にすり寄っている感じがある。まさか『維新八策』まで捨てるわけではないだろう」と皮肉った。 上野宏史、小熊慎司両参院議員の維新参加には「

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    high-d 2012/09/03
    自民嫌いの私ですら谷垣さんが一番筋が通っているととおもってしまう。
  • 劇化する政治過程・カオス化する社会 - 内田樹の研究室

    今朝の日経発表の世論調査によると、野田佳彦内閣の支持率は36%で、11月末から15ポイント急落した。 不支持は14ポイント上昇の56%で、9月の内閣発足以来はじめて支持率を上回った。 内閣発足から3ヶ月で支持率が30ポイント以上下がったのは2008年の麻生内閣以来。 とくに福島第一原発の事故について首相が16日に原子炉の低温停止状態を受けて「事故収束」を宣言したことについての不満が高く、「納得できない」が78%で、「納得できる」の12%を大きく上回った。 争点の消費増税については、15年頃までに段階的に10%まで引き上げる政府案に賛成が38%、反対が53%。前回調査より賛成が7ポイント下落、反対が6ポイント上昇。 興味深い数字である。 なぜ、これほど急落するのか、私には理由がよくわからないからである。 たぶん政権発足3ヶ月でできることは「せいぜいこの程度」だろうと私は思っていた。 日米関係

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    high-d 2011/12/26
    教師という職業は、誰よりも階級の乖離を感じやすい職業だと思うのだが、いかがだろうか。そういう感覚からすれば、この話は決して間違っていないと思う。
  • 教育基本条例について - 内田樹の研究室

    大阪維新の会が教育条例の素案をまとめた。 知事・市長による教育目標の設定や教育委員の罷免権など、教育委員会に対する政治主導を明記したほか、校長による教職員への権限強化など組織管理の徹底も打ち出している。 その趣旨は基条例の冒頭に示されている。 「教育行政からあまりに政治が遠ざけられ、教育に民意が十分に反映されてこなかったという不均衡な役割分担を改善し、政治が適切に教育行政における役割を果たし、民の力が確実に教育行政に及ばなければならない」。 教育の独立性についても、従来の教育現場からは違和感のある理解が示されている。 「教育政治的中立性や教育委員会の独立性という概念は、従来、教育行政に政治は一切関与できないかのように認識され、その結果、教員組織と教育行政は聖域扱いされがちであった。しかし、教育政治的中立性とは、来、教育法(平成18年法律第120号)第14条に規定されていると

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    high-d 2011/08/22
    大阪の教育関係者はみんな,もう大阪の教育が終わると思ってる。民の暴力に屈し,公は終わる。内田先生,ありがとう。
  • 兵站と局所合理性について - 内田樹の研究室

    兵站についてツイッターに昨日少し思うことを書いた。 まず、それを再録しておく。 昨日言い忘れたことのひとつを思い出しました。logistics のこと。兵站学。義は「輸送、宿営、糧、武器、人馬の補給管理、傷病者の処置などに関する軍事科学の一分野」。日陸軍は伝統的に兵站を軽視したことで知られています。 司馬遼太郎が書いていましたが、日露戦争のとき、兵士は数日分の糧しか持たされず前線へ送られたそうです。「あとは現地で調達(強奪)せよ」ということです。伝統的に日陸軍はそうだった。 今回の震災の危機管理を見て、「これは日陸軍だ」と思いました。 「輜重輸卒が兵隊ならば 蝶々トンボも鳥のうち」という戯れ歌のうちに大日帝国戦争指導部の兵站軽視は反映していますが、同じことが今も続いている。前線の「兵士」の活躍は大きく報じるけれど、それを支える兵站の仕事を高く評価する習慣はない。だから、みんな

  • 未曾有の災害のときに - 内田樹の研究室

    3月13日 東日巨大地震から三日目。 朝刊の見出しは「福島原発で炉心溶融の恐れ」と「南三陸町で1万人行方不明」。 16年前の大震災を超える規模の国家的災厄となった。 これからどうするのか。 このような場合に「安全なところにいるもの」の基的なふるまいかたについて自戒をこめて確認しておきたい。 (1)寛容 茂木健一郎さんも今朝のツイッターで書いていたけれど、こういう状況のときに「否定的なことば」を発することは抑制すべきだと思う。 いまはオールジャパンで被災者の救援と、被災地の復興にあたるべきときであり、他責的なことばづかいで行政や当局者の責任を問い詰めたり、無能力をなじったりすることは控えるべきだ。彼らは今もこれからもその公的立場上、救援活動と復興活動の主体とならなければならない。不眠不休の激務にあたっている人々は物心両面での支援を必要としている。モラルサポートを惜しむべきときではない。

  • 追悼レヴィ=ストロース - 内田樹の研究室

    20世紀フランスを代表する思想家で社会人類学者のクロード・レヴィ=ストロースが10月30日、死去した。100歳。 第二次大戦中に亡命した米国で構造言語学を導入した新しい人類学の方法を着想、戦後フランスで実存主義と並ぶ思想的流行となった構造主義思想を開花させた。「未開社会」にも独自に発展した秩序や構造が見いだせることを主張し、西洋中心主義の抜的な見直しを図ったことが最大の功績とされる。 サルコジ大統領は3日の声明で「あらゆる時代を通じて最も偉大な民族学者であり、疲れを知らない人文主義者だった」と哀悼の意を表した。 1908年11月28日、ブリュッセルのユダヤ人家庭に生まれた。パリ大学で法学、哲学を学び、高校教師を務めた後、35年から3年間、サンパウロ大学教授としてインディオ社会を調査。41〜44年にナチスの迫害を逃れて米国に亡命、49年の論文「親族の基構造」で構造人類学を樹立した。 自伝

    high-d
    high-d 2009/11/04
    構造主義の父死す。なんと100歳。合掌。
  • 武道の必修化は必要なのか? - 内田樹の研究室

    学習指導要領の改定作業を進めている中央教育審議会の体育・保健部会は4日、中学校の体育で選択制の武道を必修化する方針を決めた。 礼儀や公正な態度など、日の伝統文化に触れる機会を広げるのが狙い。 2011年度から実施予定。男子の武道は92年度まで必修だった。女子について必修化するのは戦後初めて。 伝統文化の尊重は、昨年12月に改正された教育法にも盛り込まれていた。 同部会主査の浅見俊雄東大名誉教授は「必修化で一層、日の伝統に親しんでもらいたい」と話している。 武道とともにダンスも必修化される。 というニュースを見る。 不思議なことを考える人たちである。 武道とダンスを必修化・・・って、それって神戸女学院大学の「武術と舞踊で切り開く新しい教育の可能性」と「同じ流れ」なんですか?と訊かれそうであるが、私は(ぜんぜん)違うと思う。 どこが違うのか、その理路を述べたい。 日の武道は近代におい

  • 教育基本法と真の国益について (内田樹の研究室)

    教育法が委員会を通過した。 これまで何度も申し上げたとおり、教育については国は口を出さない方がいいと私は思っている。 それは「国が教育に口を出さない方が私にとってよい」ということではなく、「国が教育に口を出さない方が国にとってよい」と思っているからである。 忘れてもらっては困るが、私は熱烈な愛国者であり、日が住みよい国になって、日国民がにこにこ幸福に暮らすことを切望する点において、私の愛国心を超える人間としては急に訊かれると村上龍くらいしか思いつかないくらいくらいのパトリオットなのである。 加えて、ガバナンスのコストをできるだけ削減したいと望んでいる点においては、おそらく日国官僚のうちで私以上に計算高い人間を探すことはまずもって至難の技であろう。 その私が言うのだから、信じて欲しい。 教育のことはそれぞれの教育現場で各自好きにやってもらうのがもっともコストパフォーマンスがよい。

    high-d
    high-d 2006/11/19
    「子どもを育てるシステムはできるだけ斉一的でない方がシステム管理上安全である。」
  • 内田樹の研究室: 教育破壊はどこまで続くのか

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    high-d 2006/10/27
    「学校というのは子どもに「自分は何を知らないか」を学ばせる場である。」
  • 内田樹の研究室: 学校のことは忘れて欲しい

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    high-d
    high-d 2006/10/21
    「学校教育の現場は社会における支配的イデオロギーが濃縮されたかたちで瀰漫する場所であり、子どもはその社会における支配的イデオロギーにもっとも深く浸潤された存在である」
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