本研究の目的は, ベクトル空間での単語埋め込みモデルを使った方法が, 構造主義的社会学(ブルデューなど)において検討された方法を高次元で実現できることの有用性, 応用可能性を示すことにある。後者の方法とは, 社会的空間内での行為者たちの間の相対的位置の関係(距離)を重視する関係論的分析の方法を指す。具体的には, 「育児休暇」に関するTwitterデータを収集し, 高次元のベクトル表現データを作成し, 三次元座標空間へのマッピング, クラスタリングを行うことによって, 公的空間からは見えにくい多面的な視点から, 行為者の多様な実践を一定程度可視化することを行った。