(Image by GoodIdeas/Shutterstock) 勉強が出来るようになるコツは、自分の学習能力を客観的に監視・制御することです。このような能力は教育心理学で「学習の学習」や「メタ認知」と呼ばれてきました。しかし、その脳内メカニズムの理解は十分に進んでいません。認知能力の監視と制御という再帰的な構造を持つため、構成要素を分割して調べる還元主義的なアプローチが困難であったことが影響していると考えられます。 本研究では、人工知能(AI)とヒトのメタ認知を比較することで、研究パラダイム上の問題を克服しようとしました。 まず、金銭的な報酬の最大化と罰の最小化を目指す人工知能のメタ認知システムは、環境やタスクに応じて学習のスピードや記憶の保持能力を適切に調節できることを示しました。次に、運動スキルの上達を目的とした運動学習課題を実施中のヒトに金銭的報酬を与えることで、運動学習のスピー