標記の本を読了した。 本書では,新学習指導要領とコア・カリキュラムという直近の英語教育政策を批判的に検証し,対案を示す試みがなされている。 第1章では,小学校への英語の「教科化」(「外国語活動」からの転換)にはエビデンスも一貫性もないことが批判されている。 また,「教科化」は,コストをかけずに小学校教師の仕事を増やすという意味で本質的には労働問題であることも喝破されている。 第2章では,限られたコストはALT(外国語指導助手)ではなくJTE(日本人英語教師)にを割くべきことが指摘されており,過剰な「ネイティブ信仰」から脱却する必要があることが述べられている。 また,英語教育で特別免許状が乱発されることは,政府が英語教育は誰でもできると示すことと同じであるという危惧を述べている。 第3章では,新学習指導要領の問題点として,抜本的な改革に踏み込んでいないこと,コミュニケーション観が狭い領域に押