在オーストリア日本国大使館の公邸料理人の中島大輔さんは,京都吉兆で8年,在ドイツ日本大使公邸の料理人を3年間務めた和食のプロです。その後,7年ほどベルリンで和食店の経営をまかされていましたが,自分で包丁を握って食の道を極めたいと考え,昨年11月,再び公邸料理人としてウィーンに来てくれました。 在外公館恒例の天皇誕生日祝賀レセプションを1か月後に控え,驚くようなスピードでウィーンでの食材調達を開拓していってくれました。これは,中島さんがこれまで培ってきた経験に加え,チャーミングな人柄で周りの人々の協力を得ていったところが大きいと思います。私たちが感嘆したのは,レセプション当日の朝,業者が持って来たマグロを見て,これではお客様に饗することができないと即断し,直ちに自ら買い付けに出掛け,夜の設宴に見事な料理として間に合わせてくれたことでした。おもてなし料理をする人は,良い食材を見つけ,お客様の嗜